子供でいたかった【ヒプマイ】 (ページ14)

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良いことページ14

「オメェら調子に乗ってんじゃねぇぞォォ！！」

「げっ！？山田二郎だ！！」

なんだか騒がしいな、と思ったら束の間、暗いので何がなんだからわからないが、周りの不良達がどんどんぶっ倒れていく、それをボケーっと眺めていた。

「誰の女に手ェ出してるか分かってんのか？あぁ"！？」

「す、すみま…っ」

一人残さずコテンパンにぶっ倒した。訳もわからず。目の前に現れた救世主を見た。暗くて最初は誰だからわからなかったが、どうやらさっき別れたばかりの二郎だったようだ

「だ。大丈夫…！？ですか…？」

先程とは打って変わって弱気に戻る、その姿がすごくおかしかった。

「いつアンタの女になったの？」

ははっ、と笑いが漏れてしまう、可笑しくて堪らないのだ

「す、すんません…！」

慌てて頭を下げる、「つい…」と付け足し、脱帽までしていた。

「助けてくれてありがとう」

「へへっ…間に合ってよかった…」

結構可愛い一面があるんだな、舞台ではカッコいいし、喧嘩してる時は逞しいし…普段頼りなさそうだなぁ、と思ったけど、結構可愛い

「駅まで送ります」

身を案じてくれているのか、私を道路側ではなく歩道側で歩かせ、歩幅だって、彼の方が大きいのに私に合わせてくれる、女の子扱いされたのが久しぶり過ぎて、少し恥ずかしい

「痕…付いちゃいましたね…」

「えっ、嘘っ…！」

街中のショーケースに映る姿を見て確認する、くっきり、とまではいかないが、スタンガンの痕がちゃんと付いている

ヤバイ、兄にバレたら面倒だし、なにより明日も学校、変に噂が立つと厄介だ。

「ま、まぁ…隠す手段はたくさんあるから、大丈夫」

兄も最近帰り遅いし、事務所だって用がなければ寄らなくて良い

「あの、今度は俺の家、来てくれませんか…？」

「え？あぁ…御礼の話？
気を使わなくても良いのに…」

一瞬ドキッとしたが、そんな漫画みたいな展開は無く、単にさっきの話の続きといったところだ。