☆8話 ページ8
「元気のいい子達だったね」
「…そーですねぇ」
そう適当におひいさんの言葉を聞き流す。さっき挨拶に来た2winkという双子のグループは、夢ノ咲学院のアイドルらしい
Aからそのグループの話はされたことがなかったので、あまり関わりがないと思っていた。もしも付き添いがいたとしても佐賀美陣とか、あんずさんかと思ってた
けれど、スタジオ入りしてみると当たり前のようにいるAに 思わず驚いてしまったのは許して欲しい
2winkと話し、リハーサルを終えて今は昼休憩だ。
「んもうっ、ジュンくん!元気無さすぎだね!?折角久しぶりのテレビ出演なのに、きな臭い雰囲気にしないで欲しいねっ」
少しギクリとするが、おひいさんの方を見ると普通に探るような感じはなく、プンプンという効果音がつきそうな顔で俺の方を見ていた
「逆にアンタは、なんでそんなに元気なんすか。大人しくしててくださいよ、おひいさん」
おひいさんが俺の言ったことになんか言い返しているのを聞き流す。いちいち聞いてたら体が持たないし、大体の話は右から左へ受け流していく
「そういえば、Aちゃんもいたよね?僕に挨拶に来ないなんて、どういうつもりなんだろうね?」
「……」
Aの名前を聞いただけで 胸の奥がチクッと痛むのを感じ、我ながら未練がましいと思う
恐らく、というか十中八九俺のせい
あんな突き放し方をしたんだ。避けられて当然だろう
「ジュンくんは、何か知ってる?」
おひいさんのその言葉に、少しだけ体がこわばる
絶対なんか勘ぐってる。この人と四六時中一緒にいるせいか、なんとなく思っていることを表情で読み取れるぐらいになってしまった
おひいさんが今浮かべている表情は、
面白がっている時の顔だ
「…おひいさん、詮索するような言い方やめてもらえません?」
「そんなつもりはないね!純粋に質問に答えて欲しいだけなのに、人聞きの悪いこと言わないで欲しいね!」
「…知りませんよ」
「……ふーん、つまらないね」
今のジュンくんといても なんだが気分が悪いね!と言ったおひいさんは、そのまま楽屋を出ていった
下の方にあったコーヒーショップの飲み物でも飲み物でも買いに行くのだろう。普段なら、俺に押し付けてくるのでぶっちゃけラッキーと思っておこう
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作者名:モモ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kid0019/
作成日時:2020年2月24日 11時