☆11話 貴方side ページ11
普通に考えれば、予測できたことだろう
言い訳なんてしても現状は変わらないけれど、自己満足でもいいから言わせて欲しい
疲れてたんです。マジで
だから判断能力が低下していたんだと思うんだ。恐らくだが
『あ、Aちゃん!』
廊下で話しかけられた時、ぶっちゃけ今回2winkが共演人達の中で2番目に会いたくない人に遭遇しちまったと天を仰ぎそうになった
けど、立場としても歴としても年齢にしても全てが上に位置する方を無視できるほど度胸は座っておらず、私はくるっと振り返り 営業用の笑顔を顔に貼り付ける
『…巴先輩、お久しぶりです』
『うんうんっ、さっきスタジオにいた時にそれを言ってくくればよかったのにね!』
"どう考えても 僕からじゃなくて、君からはなしかけてくるべきだよね?"と、いつものように人が良さそうな笑顔を浮かべているが、話してくることは全てトゲを含んでいて 少し頬が引つる
『あはは、すみません私にも仕事があって』
化けの皮が剥がれる前に誤魔化そうと、口からスラスラと出てくる言葉に我ながら凄いなと感心する
巴先輩はそんな私をじぃーっと穴があきそうなくらい見つめてくるが、ここで動揺の色を見せたら負けだと思い 私の負けず嫌いな気持ちをフルパワーにしてニッコリを微笑んだ
『…まぁ、そういうことにしといてあげるね。
僕はとっても優しいからね!』
特になんの反応も見せない私に飽きたのか、少し真剣な目でこちらを見ていた顔から 再びテレビや雑誌で見かけるいつもの純粋無垢な笑顔に戻った
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作者名:モモ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kid0019/
作成日時:2020年2月24日 11時