☆2話 ページ2
｢湿っぽい顔してんじゃね〜よ！お前のせいで、クラスまで湿っぽくなるだろ〜が！！｣
晃牙の声が響くと教室がシーンと静まり返る。状況を理解していないクラスメイトの反面、突然言い放たれた言葉にしっかりと聞いていた嵐とAはポカンとした表情を浮かべた
｢……ごめん｣
悩んだ末、Aはそういって言葉を発した。晃牙は、Aの反応に強く言いすぎたと思ったが、もう完全に手遅れ。先程の威勢はどこにいったのか、少しおろついていた
｢晃牙ちゃん、今日ぐらいは素直におしゃべりした方がいいんじゃない？｣
｢お、オカマ野郎……｣
見るに堪えなかったのか、嵐が背後からポンッと晃牙の肩と軽くタッチし、Aに話し掛けた
｢Aちゃん。晃牙ちゃんはね、可愛いお顔が台無しだからあんまり暗い顔しないでって言ってるのよ｣
｢えっ｣
｢ッ、なんでそうなんだよ！！｣
あら、違ったかしらァ？とニコニコと楽しそうな笑みを浮かべて晃牙に向かって話す嵐はどこかイキイキとして楽しそうだった
その傍から見たら軽い喧嘩に見えるかもしれないが、気心知れた人から見たらじゃれあっているようにしか見えない
だからか、Aは二人の会話に耳を傾ければ傾けるほど、口角がピクピクするのを感じた
｢……ッあっははは！！｣
堪えきれずに、少しセンチメンタル気味だったはずのAは 楽しそうにアハハッ！と連続で笑い続ける
ずっと笑い続けるAに、嵐と晃牙は少し目を見開き 笑い終わるのを静かに待った
｢あー、笑った笑った｣
瞳にうっすら涙を浮かべて呼吸を整えるA。落ち着いてくると、晃牙の目を見てあはは……と今度は苦笑いを浮かべて口を開く
｢ごめんね、気遣わせちゃって。ちょっと仕事でミスって落ち込んでただけだから｣
｢あら、そうだったの？｣
｢んだよ、そんなことで心配かけさせんな｣
はぁ〜、とため息をつく晃牙の態度に、Aと嵐は驚いた。その様子に晃牙が"な、なんだよ……"と
｢え、心配してくれたの？｣
｢調子乗んじゃね〜よックソ女！！｣
｢えぇ〜、聞こえないな〜｣
｢あぁ！？｣
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作者名：ﾓﾓ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kid0019/
作成日時：2020年2月24日 11時
