夢主が記憶を失ったら。 コナン視点【名探偵コナン 江戸川コナン】____リアビーバー様リクエスト ページ47
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「A姉ちゃん」
名前を呼べば、彼女はゆっくりと振り向く。そして、俺をじっと見つめた後、首を傾げてこう言った。
「____君、だあれ?」
優しい声。けれど、彼女の口から紡がれたその言葉は、俺を絶望に突き落とすものだった。
医師の判断によると、やはり彼女は記憶喪失だった。日常生活に支障は無いと言っていたが、俺としては支障どころではない。
____好きな人が、自分を忘れるなんて。
「どうしてコナンくんのことだけ覚えてないんだろうね」
「え?」
自嘲気味に、Aはふふ、と笑う。
「お医者さんが言ってたの。記憶を失ったのは、ストレスが原因じゃないかって。でも、君が私に何かするような子とは思えないし、本当に不思議」
俺も不思議に思っていた。どうして周りの人物の中で、俺だけを忘れたのか。知らないうちに彼女を傷つけていたのか。
もっとも、本人が記憶喪失になっているため確認のしようがないが。
「ごめんね。謝って許されることじゃないだろうけど」
「A姉ちゃんが謝ることじゃないよ! ボクがもっとしっかりしていれば……」
「ありがとう。コナンくんは、優しいね」
彼女はそう言って力なく微笑んだ。そんな顔をさせる自分が情けない。
「大丈夫! A姉ちゃんとの思い出は、またいっぱい作ればいいんだし! ね?」
笑いかければ、少しだけ彼女の表情が和らぐ。
「そう言ってくれて嬉しいな。本当はすごく不安だったから」
「それならよかった。ボクのことなら気にしないで。A姉ちゃんが無事なら、それで十分だから!」
「……どうして、そこまで」
「A姉ちゃんは、ボクにとって大切な人だから。……だから、笑顔でいてほしいんだ」
そう言って、精一杯の笑顔を浮かべる。そうすれば彼女を安心させられると思ったから。……それなのに。
「えっ」
彼女の瞳には涙の膜が張っていた。そして、それはやがて粒となり、彼女の頬を濡らす。
「大丈夫? A姉ちゃん」
自分の流した涙に気付き、彼女は慌てて目を擦った。誤魔化すように作り笑いを浮かべる。
「あはは、どうしてだろ。コナンくんの言葉に感動したからかな」
「ボクの言葉に……?」
「うん。……なんだかね、すごく心に響いたの」
もしかして、心の何処かで俺を覚えていてくれたのだろうか。その言葉に希望を抱かずにはいられない。
____俺が必ず、記憶を取り戻させてやる。彼女の手をそっと握りしめて、そう心に誓った。
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シオン(プロフ) - ムムチーさん» そう言って頂けて嬉しいです!こちらこそ、素敵なリクエストをありがとうございました! (2020年4月9日 11時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
ムムチー(プロフ) - ありがとうございます!!宇髄さんが派手派手にかっこよくてキュンキュンでした!!本当にありがとうございました!!!! (2020年4月8日 19時) (レス) id: c20b5adaac (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - ムムチーさん» リクエストしてくださった小説ができました!何ヶ月もお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした! (2020年4月8日 18時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - リアビーバ-さん» こちらこそ、素敵なリクエストをありがとうございました!またの機会があれば是非よろしくお願いします! (2020年2月16日 11時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
リアビーバ- - いえ、全然大丈夫ですよ!!!ありがとうございました!また機会があったらリクエストしますね♪ (2020年2月15日 15時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シオン | 作成日時:2019年4月25日 23時