推しだけが愛してくれたら。【名探偵コナン 松田陣平】____ムムチー様リクエスト ページ42
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愛華によって救われた彼は、愛華でもなく、両思いが発覚していた佐藤刑事でもなく、私を好きだと言った。
耳を疑った私は、恐らく正常だろう。
信じられるわけがない。彼の好きな人が、こんな簡単に変わってしまうなんて。
そう思いながら、私は自分の気持ちに蓋をして、口を開いた。
「……ごめんなさい。私、松田さんの気持ちには答えられません」
きっと、気の迷いなのだ。
吊り橋効果のように、救われたことに恩を感じて、ただそれを“恋”と勘違いしているだけ。
そうでなければ、彼が私を愛しているだなんて、言うわけがない。
「わかった」
彼の返事はそれだけだった。
これでいい。こうすれば、彼も自分の本当の気持ちに____。
「でも、」
彼の発した言葉が、私の思考回路を止めた。
「俺、あんたを諦めるつもりねぇから」
「……え?」
彼の真っ直ぐな瞳が、私を射抜く。
でも、だめだ。
このまま彼に溺れてしまったら、私はもう戻れなくなる。彼無しでは、生きていけなくなる。
彼のことを愛している女性なんていくらでもいるのに、その人達を傷つける結果になる。
「ま、松田さんを好きな女性は、周りに沢山いるでしょう? どうして、私なんですか」
私の問いに、彼は当然のように答える。
「だから、さっきも言っただろ。あんたが好きなんだよ」
好き、という言葉に、思わず頰が熱くなる。
「だから、諦めるつもりはない」
「……でも、佐藤さんのこと、好きだったんでしょう?」
面倒くさい女だ、と思われているだろうか。
でも、あのシーンを覚えているからこそ、彼等の気持ちを知っているからこそ、迂闊に彼の気持ちに答えるわけにはいかないのだ。
「たしかに彼奴のことは好きだった。それは紛れもない事実だ。でも、それは前の話だ。今は、あんた一人を愛してる」
どくん、と心臓が大きく脈を打つ。
嬉しくて、今にも泣きそうになった。
松田さんに相応しい女性なんて、松田さんを好きな女性なんて、沢山いる。
でも、彼はその中で私を選んでくれた。
____彼だけは、誰にも譲りたくない。
そう思ったのは初めてだった。
「わ、たしも、」
やっとの思いで口を開いた私の言葉を、彼は急かさず待ってくれる。
「私も、松田さんのことがずっと好きでした! 私なんか釣り合わないって思ってたけど、やっぱりこの気持ちだけは譲りたくないです……っ!」
彼は嬉しそうに笑って、何も言わずにただ、私を優しく包み込んでくれた。
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好きな子が他の男と付き合ったら。【名探偵コナン 黒羽快斗】____リアビーバ-様リクエスト(ほぼ独白です。)→←自分の子供が未来から来たら。コナン視点【名探偵コナン コナン】____リアビーバ-様リクエスト
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シオン(プロフ) - ムムチーさん» そう言って頂けて嬉しいです!こちらこそ、素敵なリクエストをありがとうございました! (2020年4月9日 11時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
ムムチー(プロフ) - ありがとうございます!!宇髄さんが派手派手にかっこよくてキュンキュンでした!!本当にありがとうございました!!!! (2020年4月8日 19時) (レス) id: c20b5adaac (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - ムムチーさん» リクエストしてくださった小説ができました!何ヶ月もお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした! (2020年4月8日 18時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - リアビーバ-さん» こちらこそ、素敵なリクエストをありがとうございました!またの機会があれば是非よろしくお願いします! (2020年2月16日 11時) (レス) id: 0f3fd09bd3 (このIDを非表示/違反報告)
リアビーバ- - いえ、全然大丈夫ですよ!!!ありがとうございました!また機会があったらリクエストしますね♪ (2020年2月15日 15時) (レス) id: fa2d4be8dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シオン | 作成日時:2019年4月25日 23時