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天才 4 ページ6

「何が"久しぶりだね"なの?最近誘拐とかされないと思ったら、あんたポートマフィア抜けてたの?そういうことも報告してよ!」

くどくどと太宰を叱り出すA。しゅんとした顔をする太宰。探偵社員は太宰が頭をあげられない人を初めて見たのか、見物客のようにざわざわとしだす。

「ごめんなさぁい。」

太宰が軽く言うと、Aはキッと太宰を睨む。

「迷惑散々かけてきてその態度?そもそもあんたがあの時、川に飛び込まなかったら、こんなことにはなってなかったわよ!」

一通り言いたいことを言ったのか、Aは息を整え、珈琲をグイッと飲み干す。

「姉さん。話を聞いて?」

と言う太宰の声などに耳を貸すはずもない。珈琲代を置きながら、店員に

「この馬鹿は何円ツケてます?」

と太宰を指さしながら聞く。店員は少し驚いたようだったが、すぐに確認しに行く。

「え〜とね...」

値段を言った途端、Aは胸を撫で下ろした。それだけかと言っているように。その反応を見て、谷崎は思った。

「太宰さんっていつもどれだけツケてるンだ?」

と。それはまわりの探偵社員も思っていたようだ。なぜなら、店員が言った金額はとんでもない額だったからである。

「今度来た時に払います。これ、連絡先です。もし、私が来る前にこの馬鹿がツケたら教えて下さい。」

さらさらとメモ用紙に自分の連絡先を書き込み、店員に渡す。店員は今度払うというA
を見て、驚いたように見る。そんなお金があるとは思えないと思っているのだろう。

「では...。」

カランカランと言うベルの音と共に去っていく太宰の姉、A。

「太宰さん...お姉さんって一体何者なんですか...?」

敦の呆然とした声に彼は少し悲しい顔をしながら言った。

「ただの一般人さ...。......だけどね。」

一部聞き取れない部分があり、敦が聞き返そうとすると、今まで黙っていた乱歩が、

「面白い女性だ!さすが太宰の姉だね!」

と、口を開く。その言葉に太宰は嬉しそうに顔を綻ばせた。

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華萌(プロフ) - なみさん» ご指摘ありがとうございます!なおさせていただきました! (2018年5月30日 6時) (レス) id: e0296fd304 (このIDを非表示/違反報告)
なみ - 天才18で敦君と乱歩さんの会話で敦が厚になっていました。 (2018年5月29日 16時) (レス) id: cb663bc979 (このIDを非表示/違反報告)
華萌(プロフ) - #祭鼓*@harigaya mako*さん» 返事遅くなってすみません! ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!! (2018年5月23日 6時) (レス) id: e0296fd304 (このIDを非表示/違反報告)
#祭鼓*@harigaya mako*(プロフ) - いつも、楽しく読ませて頂いております(*^-^*)テスト、頑張ってくださいq(^-^q)応援してます\(^o^)/ (2018年5月17日 23時) (レス) id: 509492d3f2 (このIDを非表示/違反報告)
華萌(プロフ) - ひなもちさん» 本当ですか!?ありがとうございます! (2018年5月15日 17時) (レス) id: e0296fd304 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:華萌 | 作成日時:2018年5月12日 21時

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