太宰治の姉は天才です！

天才 27 ページ29

「姉さん。」

全ての仕事を終わらせたAは全ての疲れを吐き出すようにため息をついているところに話しかける太宰。

「何かしら？」

太宰を怪訝そうに見つめ、今度は嫌そうにため息をつくA。それを見越していたのか、太宰はフッと笑い、

「"加藤家"の事なのだけれど...。」

と言うと、Aは目を見開かせ、ガタンと立ち上がり、太宰を睨む。そして、太宰と一緒に外に出る。バタンと扉が閉まれば、谷崎が独り言を呟いた。

「"加藤"ッて、あの...？」

と。すると、敦がそれをきいていたのか、

「どうかしましたか？」

と、谷崎に尋ねる。すると、谷崎はあわてたように 手を振り、

「なンにもないよ。」

と言った。敦はそんな谷崎の様子に首を傾げたが、国木田の怒声を浴び、いそいそと仕事に取り掛かった。

*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――
「私は復活させようだなんて考えていないわ。そんな馬鹿らしいことしたところで無駄じゃない。」

路地裏。太宰とAが笑みを浮かべながら、話している。殺気に満ちた笑みを浮かべながら。

「それなら良いのだけれど...。」

太宰が、不敵に笑う。それが、Aの機嫌を損ねたのか、Aは太宰を睨みつけ、

「そんなことしたところで利益がないわ。私はあんたと違って、死にたいだなんて思わないの。」

と言った。すると、太宰はニコリと微笑みを浮かべた。それを見たAはフッと笑みをこぼした。

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