柱の私が胡蝶しのぶに殴られた【鬼滅の刃】

9話 ページ10

｢今日からお前らと一緒に住むことになった

ほれ、自己紹介をしろ｣




鱗滝さんに半ば強引に背中を押されて、長い髪が印象的なその少女は口を開いた




｢萬藤A、です

私は、世界で1番鬼が嫌いです｣




同じだと思った




聞けば
この少女もまた鬼に家族を奪われたそう


まだ俺よりも4つも歳が下のAの目には、鬼に対する殺意しか映っていなかった



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



｢えっと、義勇さん…

私の髪を切ってもらえますか？｣




ハサミを差し出して俯きがちにこちらの様子を伺っている



錆兎よりも俺に懐いているのは気のせい？

さすがに真菰には勝てないけれど



その長い髪を切ってしまうのか



何だか勿体ない気もしたが、俺はそのハサミで肩程まで髪を切ってやった



少しだけ、笑った気がする



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



｢もう水の呼吸を参の型まで習得したのか！

俺や義勇よりもペースがはやいな！｣



俺や錆兎達よりもはるか後に修行を始めたAは、あっという間に呼吸を習得し

俺たちを追い抜いていった




｢もうすぐ最終選別に行けるのかなぁ

早く、仇を打ちたい｣




環境に打ち解け、よく笑顔を見せるようになったAだが、鬼への復讐心は薄れないようだ



それは俺も同じ

早く追いつかないと


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



｢いよいよ出発か

お前ら、生きて帰ってこい｣




鱗滝さんは俺ら3人に、厄除の面を渡した


Aは既に稽古の過程を経て、最終選別に行ってもいい力を十分つけたけど

引き取ってそこまで経っていないA1人で行かせるのが心配だったらしい


少し時期をずらして俺と錆兎と向かうことになった




｢｢｢行ってきます、鱗滝さん｣｣｣



｢生きて、帰ってこい｣

10話→←8話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す