16話 ページ17
まさか、まさかね
あんな前振りみたいなことね
あるわけない
って思うじゃん?
「嬢ちゃんかわいいね、うちで働かないかい?」
街を通ったのが間違いだった
私の鎹烏は生憎任務の連絡を受けるために飛んでってるし
いやぁどうしようかな
「ごめんなさい、特に働き先は探していなくて」
「いやぁ、その格好は家出だろう?
なあに怖くない、すこし男の人を喜ばせるだけだよ」
あー、遊郭の勧誘か
昼間なら対処できるんだけど、夜は初めてだ
腕を掴む力が強い、逃がしたくないのかな
「だから、嫌ですってば
家出じゃないです」
すこし語気を強めた物言いが頭に来たのか、男は強く腕をひいて肩を抱いた
うわ、刺激しちゃった
たばこの煙の臭いと香り水の匂いが混じって臭い
「ねえ、姉さんを離してよ」
もう何年も呼ばれていない呼び名で呼ばれて振り返る
「無一郎?」
「姉さん、父さんが組長のところから戻ってくるから行くよ」
「く、組長
チッ、こいつ暴力団の娘か、
気をつけな!お前みたいな女子、早々に食われちまうよ」
食われちまうよ、だなんて
それよりももっと怖いもの、物理的に食われるっていう敵を倒してるんだけどわたし
ていうか組長って
暴力団チラつかせて脅してるのか
なかなか賢くなったなあ
「姉さんだって、久しぶりに呼ばれた」
「萬藤さん弟いたんだ」
「そう、無一郎みたいな子だったよ、飄々としてて」
髪は嘴平くんぐらいの長さで、顔立ちもそれこそ嘴平くんに似てた
彼を見た時、あの子がいきてたらこうだったのかな、とか
「しかも父さんって」
「どっちもいないのにね、父さん
「まぁ、この阿呆をわざわざ?」
「ちょ、阿呆ってなによ!
ただ遊びに行ったわけじゃないのに」
「それくらい分かってるわよ」
「萬藤さん、まだ東町の遊郭のおじさんに目付けられてるから
東町には一人で行かない方がいいよ」
あのおじさん、僕が離れる瞬間を狙って離れてく僕らを見てた
気色悪い、家出少女にばかり手を出してるんだろう
「あなた散々カナヲに一人で行くなと言ったくせに一人で行ったの?!
馬鹿じゃない」
わーぎゃーと騒ぐ2人に呆気に取られた
へー胡蝶さんってこんななんだ
「時透くんも、危ないから泊まっていくといいですよ」
「どうも」
萬藤さんは知らぬ間に色んな人の内面暴いてるの気づいてるのかなー
269人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
美穂(プロフ) - 終わってしまって寂しいです (2022年8月19日 6時) (レス) @page20 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - とても面白いです。続きが気になります。更新頑張ってください応援してます!! (2021年9月28日 21時) (レス) @page20 id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
白角(プロフ) - 将来の夢は推しの嫁さん» ご指摘ありがとうございます。校正で気付けなかったのでとても助かりました。今後ともよろしくお願い致します^^ (2021年1月4日 15時) (レス) id: b2271dc12b (このIDを非表示/違反報告)
将来の夢は推しの嫁(プロフ) - 急にコメントすみません!猗窩座は上弦の参だったと思います!いつも楽しく読ませて頂いてます!頑張ってください! (2021年1月4日 15時) (レス) id: 4900f70c51 (このIDを非表示/違反報告)
白角(プロフ) - 日番谷冬獅郎が大好きな人さん» ありがとうございます。そう言っていただけると励みになります! (2020年4月8日 16時) (レス) id: b2271dc12b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:白角 | 作成日時:2020年4月2日 12時