不思議なラブレター (ページ7)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:1,115 hit

一学年ページ7

あたし達の誕生日は、ちょっと曲者(くせもの)だ

4月1日生まれのあたし

同じ年の4月2日生まれの涼太

そして、次の年の4月1日生まれの玲於

4月から高校1年生の涼太

涼太よりも364日遅く生まれた玲於も、同じく4月から高校1年生になる

そして、私だけが1学年上の高校2年生

何故かというと、学校教育法という小難しい法律で、4月1日生まれまでは早生まれだとみなされるからだ

涼太「さて、と、始めよっか。A」

A「そだね」

玲於「よっしゃ！」

あたしは、お皿とフォークを3つずつダイニングに持ってきて、それぞれに配る

玲於は、グラスに3人分のジュースを注ぐ

そして、涼太は自分が取りに行った有名ケーキ店の袋からケーキを取り出した

テーブルの真ん中に、苺がたくさん乗ったホールケーキ

いつも通り、ろうそくを3本立てる。赤・青・緑、そこへ火をともす

「それでは...」

「ハッピーバースデー！」

3人で声を合わせて、ふーっとろうそくの火を吹き消す

赤のろうそくはあたし、青は涼太、緑が玲於。これもいつも通り

あたし達は、物心ついた頃から、こうやって自分たちの誕生日をお祝いしてきた

4月1日に、3人分まとめて3人だけで

「とうとう、あたしも17歳かぁ」

玲於「俺は、16歳だけどな」

涼太「俺は、明日で17歳だけどね」

このセリフも、歳は1ずつ増えるだけで、毎年のことだ。そして、この気持ちも

小学校入学の時は、一人だけ学校に行くのが納得できずに大泣きした

次の年、涼太と玲於が一緒に入学してきて、ズルいとまた泣いた

あたしと涼太は同い歳なのに
玲於はあたしより1歳年下なのに

お母さんに、なんで産むのを一日我慢しなかったのかと責めたこともある

どう考えても、アホな八つ当たりだ

けれど、あたしにとって、それほど一日が重い

たった一日....あたしが涼太より早く生まれたばかりに