我々、イカなり。 (ページ26)

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＊ﾆｼﾞｭｳﾖﾝ＊ページ26

オスマンside

ぱーって試合見てるけど、強そうとか楽しそうは勿論面白そう、なんて全く思わない。
トントンはチーノ？とやらが良かったらしいけど、塗り專っぽいし時々囮のつもりなのか特攻しては帰ってきてるし。

「…面白そう、とは言えないめぅ～」

「トントンはどこが良かったんだろうね」

独り言をぽやぽや呟いていると、後ろから声がかかった。この声、間違えるわけなんて無い。

「ひとらん！来てくれたんや」

「そりゃ、マンちゃんからのお誘いだよ。基本断らないって」

ん～、と抱きしめる。
ひとらんはそれを受け止めてくれて、抱き締め返してくれる。包容力満載。

「ふふ、ギューってしてくれるのは嬉しいけど、試合見なくていいの？」

「ひとらん来てくれたしなぁ。見てても特になんも思わんし…。戦ってみんのが1番、かなぁ」

「ブキ持ってきてるの？」

「しんぺいさんのところに預けてるめぅ～」

なるほどねぇ、って言いながらサッと俺を試合の方に向け後ろから抱きしめてくれる。

でもそれはやめとこうね、とひとらんは言ってくる。どうしてか聞けば、目立ってバレてるから。とニッコリ。周りの様子を伺えば、シュキョウのヒトたちだよね？2人も居てるよ…！なんて小声で言い合っている。

「…んー、今日はやめとくね。そーや、今日確かバイト…」

「分かった。俺も挨拶はしときたいからさ、紹介してよ。その後バイト行こっか」

「分かっためぅ～」

試合はマルシュチームの勝利。挨拶ついでにロビーまで迎えに行く。
4人は一緒に出てきて、こちらを見つけてはチーノとゾム？とやらが走ってきた。

「オスマン、やっけ。見ててどーやった？」
「えー…っと、オスマンさんそちらの方は？」

「ああ、こっちは…」

「こんにちは。俺は同じチームのひとらんらん。悪いんだけど、俺らこれから用事あるんだよね。何かあるのならまた今度でもいいかな」

「あぁ、お忙しいところ引き止めてしまってすみませんでした…、これ、私の連絡先です。必要でしたらかけてきてください」

エーミール、とやらがひとらんに連絡先を書いたメモを渡す。これで連絡手段はとれた。
後は適当に会って様子見かなぁ。我らのリーダーもそれを望んどるし…。

「っと、そろそろ行かなきゃ。じゃ、マンちゃんいこ。じゃあね」

手を振ってやれば、手を振り返してくる。それを見つつも小走りで視界から消え去る。

ひとらんはほんとに楽しめるのか、なんて不安な表情をしていた。