情報提供18回目(あっすん) ページ20
変化球をキャッチ出来ず鳩尾に決まった奴がお送りします。
ーーー
太宰君が照れ臭そうに笑いながら僕に向き合って言う。
「あの時は介抱してくれてありがとうA君」
「どういたしまして」
僕はそのお礼を笑いながら受け取る。あぁ、お酒と言えば…
「ねぇ太宰君。前にバールパンに言って君と織田作さんが好んで飲んでいたお酒を貰ったんだけどまた一緒に飲まない?」
太宰君は目を見開いた後少し懐かしげに笑ってから言う。
「君は何でも知ってるねぇ……織田作って呼んでる所知り合いだったのだね…うん、それじゃあまた機会があったら飲みに行かせて貰うよA君。さて、私もそろそろ国木田君が怒って私を探しに来そうだから行くとするよ。じゃあね」
僕の親しげな呼び方だけで知り合いだったと見破った太宰君に内心感嘆しながら笑って手を振り別れを告げる。
「うん、じゃあね太宰君」
「また話そうね太宰さん!」
僕達の手を振る姿を一瞥した後太宰君は人混みへと紛れて行ってしまった。
僕は少し名残惜しく思いながらローワンの手を引き拠点へと足を向けた。
僕はソッと独り言を言う。
「次に会えるのはきっとお客と情報提供者の立場になった時だろうね太宰君……」
本当はこんな街中で会うなんて偶然は滅多に無い。
一年に一回有るか無いかの偶然に僕は少し感謝しながら笑ってローワンに言う。
「次は何時此処に来ようか?」
「ん〜とね!再来週の月曜日に来ようよ!」
「依頼が無かったらそうしよっか」
僕はそう次の約束をローワンとしてから横浜中華街を後にした。
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