【WT】優しいサイコパス #シャークん (ページ10)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:26,687 hit

10 ページ10

『サボんの、初めてだわ』

幸「私も～…」

それだけ言うと、幸は眠そうにあくびをした。

それにつられて、俺もあくびをすると、彼女はいたずらっ子の様に「くくくっ」と笑った

『何笑ってんだよ笑』

幸「シャークんさん、可愛いなぁって思って笑」

『はぁ？笑』

自然と、笑えるようになった

…これも、幸のおかげだな

なんて事、本人には言えないけど。

幸「サボってて大丈夫かな」

『…俺は別に。どうせ高卒で働くからいいけど』

幸「卒業するまでずっとこんな生活なら、

死んだ方が、マシかもなぁ」

俺が横に居るのを忘れたのか、幸は、そんな風に言った。

『あんなヤツらのせいで、自分で自分を殺すくらいなら

俺が、お前を殺してやるよ』

こんな事を言えば、どうせコイツも俺を避けるだろ。

そう思って、自虐的に笑った

その場を去ろうと思い、立ち上がって幸の顔を見ると

幸「…ありがとうっ…ありがとうっ……」

彼女は、綺麗な笑顔で、涙を流していた

『はっ？おま、えぇぇ？』

幸「ありがとっ…」

"ありがとう"

と言いながら、泣く幸。

俺には、訳がわからなかった

『あぁぁぁもう！！泣くなって…』

泣いている姿を見るに耐えられなくて、

自分のハンカチを広げ、幸の顔に押し付けた

幸「ぶえっ」

『泣きやめよ、お前が泣いたから曇ってきただろ』

幸「…え、私が泣いたら雨降るの？笑」

『幸って何か…いや、何でもない』

"幸は太陽みたいだから"

そう言おうと思ったけど、幸が調子に乗りそうだからやめた。

幸「あ、そろそろ帰ろっかな」

『あぁ、クラスのヤツらは補習と部活か』

幸「なんか久々にこんな笑えたかも笑」

幸「…あ、私のせいで捕まるなんて事は許さないからね」

『お前が死のうとしない限りは捕まんねぇよ』

幸は、苦しげに微笑んだ