【WT】優しいサイコパス #シャークん (ページ9)

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『…ほんと、人間って嫌な生き物ですよね』

弁当を食べ終わり、2人で喋っていると、

ふと、そんな言葉が口から漏れ出た。

困る事を言ってしまった、と、私はすぐに言葉を付け足した。

『あっ、いや！！急にごめんなさい！！』

「俺もそう思う。人間……特に学生の時期は、本当に残酷。」

一匹狼のようなイメージを、彼に持っていた私は、「あ"あ"ん"?!」みたいな感じでキレてくると思っていたので、落ち着いた反応に、少し驚いた

彼が同じ風に思っていた事が、仲間居た事がなんだか嬉しくて、私の口は次々と言葉を放っていく。

『……少し周りからずれただけで、"アイツは敵だ"と見なして、徹底的に潰す。

それが、相手の気持ちも、言葉も聞かずに行われる。』

そう。今の状態が、それだ。

触れてはいけない。近付いてはいけない。

その思考を持った者達の輪から、私は、ズレた。

犯罪者が罰を受ける。それと同じなのだろう

この空間の中でのルールを破り、罪を犯した私は、罰を受けているんだ

例えそれが、犯した罪と等しい重みであろうと、それ以上重みであろうと、

"被害者"である彼女達の、知った事ではない。

「ずっと笑顔で居られるお前は、強いよ」

シャークんさんは、そう言った。

私の目…いや、私の目の奥の暗闇を、じっと見つめて。

強くなんか無い。ただただ弱いだけだ。

私が強いなんて、そんな事ある訳ないじゃん。

私は、自分が壊れるのが、今の環境が変わるのが、怖いだけなんだよ…

本当は、君が思うよりもずっと、小さくて弱くて、脆い人間なのに

『笑っていないと、自分が壊れてしまいそうで、今まで築いてきたものが崩れそうで、

私…怖いんです』

そう言ったところで、少し重々しい雰囲気で、昼休憩の終わりを知らせるチャイムが鳴った。

『あ…』

シャークんさんは、諦めるかのように、ゆっくりと立ち上がった

隣にあったものが無くって、なんだか心に穴が空いた様な感覚になり、私は、言ってしまった

『……ずっとずっと、昼休憩が続いたら良いのに』

彼は、柔らかく微笑んだ