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episode 129 ページ40







神谷 side


二階堂さんは隣で眠っていた。

俺の上着で暖を取りながら、静かに眠っている。

多分、今日いろんな所に連れ回してしまったので疲れさせてしまったのだろう。と申し訳なくなる。

職業病というのかは分からないけど、静かに眠りすぎてて死んでないだろうか、と不安になってしまう。

彼女の腕を静かに持ち上げて脈を確かめる。

ちゃんと脈はあったので、さっきみたいに静かに降ろして、かけている上着の中に腕をそっと入れる。

モゾモゾと動くその姿が、なんだか愛おしい。


神谷「…二階堂さん。」


眠っているのが分かっているので話しかけても聞こえない。

今日、ずっと思っていた事を今だったらぶちまけられるのではないか。しかも相手に聞こえずに。

家でやれ、と思うかもしれないけど、そろそろ言いたい事が募りすぎてダムのようなものが決壊しそうなのだ。

二階堂さんが眠っている事をもう一度確かめて、俺は一人で今日ずっと思っていた事を言葉にした。


神谷「…好きですよ、二階堂さん。」

神谷「…たくさん食べるところも、落ち込んでたら慰めてくれるところも、表情が豊かなところも。全部。」


声にしていたら楽になるかな、と思ったけど、よく分からない感情が自分を襲って、ここまでで言葉を止めた。

恥ずかしいような、罪悪感のような、そんな感情に苛まれて、その言葉と一緒に消えてくれればいいのに。

そんな思いで窓とかを開けてみたりするけど、二階堂さんが寒くなってしまうだけだ、とすぐ窓を閉めた。

俺は何をやっているのだろう。

ただ、いま一言言えるのは。

彼女をあのマンションに帰したくない。

危ないという先入観があるのは確かだけど、それ以上に俺の傍にずっと居てほしいと思ってしまう。

付き合ってもないのに。


神谷「…二階堂さん、帰るんですか。」


聞こえない事はわかっているのだけど、それでも「帰りたくない。」の一言が聞きたくて、聞いてしまった。

いや、口からポロッと出てしまったというのが正解か。

はぁ…っと溜息をつきながら、コーヒーを口に含んだ。

すると


『…、ない、』


と声が聞こえてきた。

思わずコーヒーを吹き出しそうになってしまったけど、平常心を装って、二階堂さんの言葉に「はい?」と聞き返す。

すると、二階堂さんはこちらを振り返り、


『帰りたくない、です。』


と俺にも聞こえるようなはっきりとした口調で言った。

寝起きだとは、思えない。

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そある(プロフ) - こんにちは。突然連絡をしてしまい、すみません!あなたの番ですの再放送をしており、この夢小説の内容が気になって、読んだ結果とても面白い、楽しいと感じました。完結おめでとうございます!作者さんにはとても感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。 (2021年7月10日 16時) (レス) id: c056380204 (このIDを非表示/違反報告)
橋本@かんな(プロフ) - 完結おめでとうございます!全話楽しく読ませていただきました。終わってしまうのが寂しいです…。作者さんには「ありがとう」でいっぱいです。お疲れ様でした! (2019年11月10日 10時) (レス) id: f44fa375d7 (このIDを非表示/違反報告)
ユーナ(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも陰ながら応援していました。とても読みやすく本当に面白くてキュンとして完結したのも少し寂しいです ただ本当にありがとうございました!この小説に出会えて良かったです (2019年11月10日 2時) (レス) id: cd6555e146 (このIDを非表示/違反報告)
がなと(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しみに待っていた小説でした。本当に面白かったです! (2019年11月10日 1時) (レス) id: 9453040fcf (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 135話に誤字がありました。「同性」ではなく、「同棲」です。 (2019年11月9日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花火2016 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年9月5日 17時

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