第１０話！ ページ13
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真壁「…………ごめん、先生。」
『……私こそごめん。』
真壁「………なんで先生が謝るの。」
『……………何も気付いてあげられなかったから。それに、私、自分の意見ばっかり押し付けた。真壁くんの気持ちなんて全く考える余裕なかった。…本当にごめん。』
真壁「……人の気持ちに気付ける人間の方が少ないよ。」
『…大人だね、真壁くんは。』
缶コーヒーを持って、河原で話す私達は教師と生徒という概念を超えた…そんな絆で結ばったような気がした。
もう真壁くんとは会えなくなるかもしれないけど、それでも、何年経って、今日の事を思い出しても、この時間は無駄じゃなかった。と心の底から言えるだろう。
さっきまでの心のモヤモヤが、晴れていくような気がした。その代わりに靴擦れの痛みが凄いけど。
かかとに絆創膏を貼っていると、真壁くんが口を開く。
真壁「…先生、何年あの人と付き合ってるの？」
『ええ…何年だろう…。』
真壁「…何歳から付き合ってるの、」
『17歳から。…もう24歳だし…そろそろ7年か…。』
真壁「……結婚しないの？」
『え？…考えてはいるんだけどね、あっちが考えてないみたい。』
真壁「…………それで先生は幸せ？」
『……確かに早く結婚したいけど…私はいま幸せだよ。』
そういった私の目を見て、真壁くんは薄く笑った。
どういう意味の笑みなのかは分からないけど、久しぶりに真壁くんの笑った顔が見えて、なんだか嬉しかった。
…幸せか、なんて初めて聞かれた。
『…真壁くんは？いま、幸せ？』
真壁「…その幸せを探す為に開久やめたんだよ。」
『……そうなんだ。』
真壁「…あ、そろそろ時間だ。」
『時間？…なんの？』
真壁「バイト。喫茶店でバイト始めたから。」
真壁くんは座っていた芝生から立ち上がると、自分の所に影ができるくらい背が高い。もう体は大人なんだな。
物凄く漠然としているけど、この子なら大丈夫。
そう考えると、完全に心に差していた霧が晴れていく。そうだ。真壁くんなら大丈夫だ。きっとそう。
真壁「…じゃあね、先生。」
『…うん。ありがとう、真壁くん。』
真壁「…あの人と、幸せになってね。」
『……ありがとう！』
そう言って真壁くんは自転車に乗り、バイト先へと向かった。
夕日に照らされて私から遠ざかっていく真壁くんは、私よりもとっくに大人だった事に今更ながら気付く。
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人でなし好き(プロフ) - 今日から俺はが凄く好きで、ドラマをやっていたころは占ツクを知りませんでしたが、この作品と出会えて、もっと好きになりました。最終更新日が3年前なので、更新はすぐに来ないとわかっていますが、ゆっくりでいいですので、続き楽しみにしております。 (11月14日 16時) (
レス) id: 7b8c559267 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきだるま - 続き書いてくれてありがとうございました。これからもよろしくお願いします!!応援してます (2020年8月13日 8時) (レス) id: 85de5ccc45 (このIDを非表示/違反報告)
eruruka(プロフ) - 面白すぎて一気読みしちゃいました！！！ゆっくりの更新でもいつまでも待ってます！！ (2020年8月3日 4時) (レス) id: 13080b423a (このIDを非表示/違反報告)
梅?(プロフ) - 更新してくださったの嬉しすぎて涙出ました！！！この作品大好きで、何度も好きな話を読み返したりしてずっとお待ちしてました！！！ありがとうございますorz (2020年7月31日 1時) (レス) id: 2912baf146 (このIDを非表示/違反報告)
メア(プロフ) - ﾝﾝﾝ待ってましたありがとうございますゥ…この話とても大好きです！急いで更新する必要ないと思います、頑張ってください！ (2020年7月24日 23時) (レス) id: 36a2a79fdd (このIDを非表示/違反報告)
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