怪演女優 Forty Seven

・ ページ24

・




間宮「お前、どうすんだよ。」

『なにが。』

間宮「あいつ。」

『……、ねぇ、なんであんたここ来たの。』

「…………。」

『あんたの望みの物は、もうとっくの昔に消えちゃったよ。……ほんとタイミング悪い。……来るのがもうちょっと早かったら、』

「……し、た……から、」

『……なに？』

「……死にたい、から、来た。」

『……なんで？』

「……兄ちゃんの病気、遺伝性で、」

『……っ、』

「……このまま生きてても、楽しくないし、……意味、ないじゃん、」

間宮「だったら自分で死ねばいいだろ。わざわざこんなとこまで来て殺してもらう必要は、」

『いいよ。』

間宮「あ？」

『お望み通り殺してあげる。……あんたの望みで叶えられるのはそのくらい。……私は、それ以外の事、してあげられないからさ。』

間宮「おい、」

『いいじゃん。どうせさ、放っておいても病気だから死んじゃうんだよ？そんな子が殺してほしいって頼んでるなら、殺してあげるべきでしょ。』

「……いいの？」

『いいよ。……それがあんたの望みなら、私は乗るよ。』

「……ありが、とう、」

『……何したい？……死ぬのが嫌になるくらい、楽しい事しようか。』

間宮「…………。」


・


『シャムくん、病気なんだって。……だから、死ぬ前にやりたい事やらせてあげたくてさ。ちょっといろんな所ぶらぶらしてくる。』

大西「病気、ですか……。」

『うん。……で、ノラちゃんが居ない今、ここにいる人達の中で一番の古株なのはミケくんだから。今日だけ、みんなをまとめる係に就任。』

大西「ええっ、で、できる、かなぁ……」

『大丈夫だよ。ミケくんならいける。……ご褒美にね、ホールケーキ買ってきてもらったからさ、ご飯食べた後にこれみんなで食べて？』

大西「……っ、がん、がんばります、」

『ん、いい子〜！！あ、もしノラちゃんが帰ってきたら、「ちょっと今日は遅くなるって言ってた」とか、適当な理由つけといて。』

大西「はいっ、」

『いい返事。……じゃ、ケーキうちの冷蔵庫だから、勝手に取っていって？行ってきまーす。』

大西「お気をつけて……！！……っ、」

猪狩「ミケ。」

大西「うおっ、……あぁ、クロさんですか……。」

猪狩「腹減ったから飯作るけど、お前らも食うだろ。」

大西「あっ、食べたいです。」

猪狩「あのギャル呼んできて。」

大西「……チシャさん？」

猪狩「そう。」

大西「呼んできます。」

・→←File.5 シャム

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す