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第38話! ページ43

伊藤「...見た?」

『はい、見ました。』

私がそう言うと、伊藤さんは恥ずかしそうに顔を隠す。

なんか、可愛いなぁ...と思ったけど、言ったら多分怒られるので言わないでおいた。

『どうしたんですか、こんな場所でそんな事して。』

そう聞くと、伊藤さんはぽつりぽつりと話し始めた。

伊藤「三橋が新入生からモテてたんだよ。面白いし強いからって。」

『...過去形なのがちょっと気になりますけど、続けてください。』

伊藤「それに比べて、俺は面白くないからモテなかったんだよ。」

...伊藤さん、髪型だけで面白いからなぁ。

これ以上面白くなっちゃうと逆になんか変な感じなんだよなぁ。

そんな事を思っていると、伊藤さんがずいっと私の顔に顔を近づけた。

伊藤「Aちゃんも、俺の事面白くないって思ってたんだろ!」

『い、伊藤さんは、面白くなくても、真っ直ぐで優しいですから。』

伊藤「ほらぁ!面白くないって思ってたんだ!きっと、京ちゃんだって...。」


『伊藤さん!』


私が伊藤さんの名前を思いっきり呼ぶと、伊藤さんは驚いた様子で「はい。」と言った。

『京子さんは、真っ直ぐで優しい伊藤さんの事が大好きなんです!自信を持ってください!』

伊藤さんが弱々しくそう言ってきたので、なんだかカチンときて言ってしまった。

伊藤「...俺、面白くなくても?」

『いいです!』

伊藤「つまんなくても?」

『大丈夫です!』

そんな掛け合いをしていると、伊藤さんは嬉しそうな顔をした。

分からないけど喜んでくれたらしい。

その顔を見ると、こっちまで嬉しくなってしまった。

伊藤「じゃあ、京ちゃんのとこ行こうかな!まだ学校いるかな?」

『いや、多分、ぼ...』

ボコすなんて言ったら、多分京子さんにケチャケチャにされる。

新入生なんかよりももっと。

伊藤「ボ?」

『ぼ、ボーリングしに行く?とか言ってましたよ?明美さんと。』

なんか、最近嘘ばっかり付いてて罪悪感が押し寄せてくる。

でも、まぁ、嘘も方便って言うから、うん。

伊藤「あ、ありがとう!Aちゃん!」

そう言って、私に大きく手を振って走って行ってしまった。

私も手を振り返し、伊藤さんを見送った。

無邪気な人だなぁ、と思いながら、なんだかほっこりした気持ちになった。


私も帰るか。


そう思った時だった。

「おい。」

と後ろから声をかけられたと思ったら、開久高校の制服のヘルメットの人に

バットを顔ギリギリの所まで振られた。

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設定タグ:今日から俺は!! , 愛され , 相良猛   
作品ジャンル:恋愛
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yup(プロフ) - NGシーンのやつおもしろかったーまたしてください!! (2018年12月9日 10時) (レス) id: a7aee9d490 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - もっちさん» 分かります... (2018年12月4日 23時) (レス) id: cdf4b9c055 (このIDを非表示/違反報告)
もっち - 相良くんカッコよし…… (2018年12月4日 20時) (レス) id: 26925a4852 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - 奏さん» いえいえ!あれ、書いててすごく楽しかったです!だから番外編では初の続編も出ました(笑)面白いリクエストありがとうございます! (2018年12月3日 0時) (レス) id: cdf4b9c055 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - サイコパスメリーさん» ハッピーいっそんパウダー入れちゃいましたねぇ...。我慢がききませんでした、磯村勇斗さんごめんなさい。 (2018年12月3日 0時) (レス) id: cdf4b9c055 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花火2016 | 作成日時:2018年11月24日 17時

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