喧嘩ができないスケバンちゃん。４！【今日から俺は！】

第３７話！ ページ41

相良「上がったな。」

『結構迫力あるね。』

文化祭とは思えないほど、大きくて豪華な花火だった。

例えるなら、夏に上がる花火くらい大きくて豪華だった。

相良「綺麗だなぁ。」

『そうだねぇ、綺麗だね。』

私が花火にみとれていると、猛くんは私の背後に回った。

『...ん？なに？』

聞いても、猛くんは黙ってるまんまだった。

どうしたのだろう、と気になっていると、自分の首に冷たい何かを当たるのを感じた。

猛くんの手はこんなに金属のように冷たくはない。

なんだか怖くなってしまって、恐る恐る見ると


『...ね、ネックレス。』


首には、可愛らしいハートのチャームが付いたネックレスがあった。

なんでこんな物を猛くんが...

私が驚いて猛くんを見ると、猛くんは自慢げにこう言った。

相良「買ってきたんだよ、ついこないだ。」

『...こんな、可愛いネックレス、猛くんが行くようなお店で売ってたの？』

相良「違ぇよ。」

『じゃあ...わざわざ、これが売ってそうな可愛らしい店舗に行って買ってきてくれたの？』

私がそう聞くと、猛くんは照れくさそうに「...おう。」と一言だけ言った。

そんな猛くんに、私は勢いよく抱き着いた。

『ありがとう、猛くん。大好き。』

私の言葉に、また猛くんは「おう。」とだけ言って私の頭を優しく撫でてくれた。

そう言って少し顔を赤らめている猛くんの頬に、軽くキスをした。

猛くんは余計真っ赤になってしまったけど、すぐに私の事を抱き締めてくれた。

相良「...誘ってんのか？」

『誘ってはないけど、猛くんにキスされたいっていう気持ちは...なくはない、かな。』

そう言って猛くんと私はクスクスと笑い合った。

こんな状況がいつまでも続いてしまえばいいのに。とも思ってしまった自分がいる。

だけど、幸か不幸かそんな願いも叶わず、猛くんは私の唇に強引にキスをしてきた。

獣のようなキスだったけど、優しさも感じられるような不思議なキスだった。

多分、花火が上がってる中、キスをするというロマンチックな光景だっただろう。

だけど、私にはそんな事考える余裕はなかった。

猛くんの強引なキスに答えるのに精一杯だったのだ。


どれだけ長い間キスをしていただろう。

キスを辞めてこちらを見つめる猛くんは、なんだか凄く色っぽく見えた。

相良「...かわい。」

『...ありがと。』

そう言って、また猛くんは、軽くて優しいキスを落としてきた。

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