喧嘩ができないスケバンちゃん。２！【今日から俺は！】

第３３話！ ページ35

シチューを食べたあと、2人でソファーに座りながらテレビを見ていた。

心霊現象の内容だが、気になって見てしまっている自分がいた。

あの、「お分かりいただけただろうか」というヤツだ。

相良「...そんなくっつかなくても、幽霊は出ねぇよ。」

『だ、だってあの窓に映ってんの完全に誰かの顔と腕じゃないですか。』

猛さんはもう完全にリラックスしてテレビを見ていた。

てかなんでそんなに落ち着いていられるの。

相良「血とかは平気なのにこういうのは駄目って、どういう事なんだろうな。」

『こっちに来て耐性がついたんだと思います。』

元々は血は得意ではなかったが、幽霊などの怖いものと比べるとそんなに怖くもなかったのだ。

相良「そういうもんなのか。」

『そういうもんですよ...』


「お分かりいただけただろうか...。交通事故で亡くなってしまった男の子の霊がこちらを見ている。」

やだ、交通事故とか本当にやだ。

猛さんの腕を掴もうとすると、猛さんはわざと私に掴ませないようにしてきた。

猛さんの顔は本当に悪魔のようだった。

『た、猛さん、本当に怖いので...。』

私がそう言うと、諦めたように猛さんは私の方に腕を出してきてくれた。

それに甘え、私は猛さんの腕に抱き着いた。

相良「これ、そんな怖くねぇだろ。」

『ホラー系全般無理なんです！』

私がそう言うと、猛さんは意地悪な笑みで「へぇー。」と言うだけだった。

この人は一体何を企んでいるのだろうか。

相良「それにしてもまぁ...交通事故に遭ったからって窓に張り付く必要ねぇよな。」

『...まぁ、たしかに。』

なんで交通事故に遭って窓に張り付くのかが分からないけど、それでも怖いから。

相良「...ムラサキカガミって知ってるか？」

『ムラサキカガミ。』

紫鏡って...なんだそれ。

結構毒々しい色の鏡なんだな。

『知らないです、なんですかそれ。』

相良「それ、20歳まで覚えてたら

呪われるらしい。」

えっ...。

『じょ、冗談、辞めてくださいよ。』

相良「これ、実際に日本であった事件で、20歳の誕生日に殺人事件の被害者になったんだよ。

その事件の現場に、ダイイングメッセージでムラサキカガミって書いてあったんだと。」

『え...。』

なんだそれ...。

てか、それ2人とも覚えてたら2人とも20歳で...？


相良「まぁ、そんな話嘘だけどな。」

『...怖かったです。』

怯えてる私を見て、猛さんは爆笑してた。

やっぱりこの人は悪魔だった事に気付いた。

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