第２５話！ ページ27
明美「え...？」
『...すいません、少しでも明美さんを悪者だと思ってしまった自分が憎いです。本当にごめんなさい。』
そう言って泣きそうな声になっていた明美さんの背中をさすった。
明美「...ありがとう。」
そう言って明美さんも私を抱き締め返してくれた。
その背中に回った手は、すごく優しくて、少しでも乱暴に扱ったら壊れそうなほどだった。
そんな明美さんが放っておけなくて、落ち着くまで一緒にいようと思った。
そんな思いが伝わったのか、明美さんは声を出さずに泣き出した。
明美さんが辛かった事からの涙だと分かり、心が痛くなり、私も涙が溢れてしまった。
そうして2人で落ち着くまで、涙が出なくなるまで泣いた。
声は出さなかったけど、それだけで少しスッキリしたような気がした。
明美「ありがとう、落ち着いた。」
そう言って明美さんは、私に頭を下げた。
『頭なんて下げないでください。』
そう言っても、明美さんは頭を上げようとしなかった。
そんな明美さんを元気付けたくて、ポロッと口から出た言葉は
『甘い物食べたい』
というまさかの願望系だった。
なんでだかさっぱり分からないけど、口をついて出ただけだった。
多分心のどこかで甘い物を欲しているんだろう。
明美「え？」
『こないだの喫茶店、今度京子さんも誘って行きましょう。甘い物食べると落ち着きますから。』
多分自分が行きたいだけなんだろうけど、甘い物を食べると幸せな気持ちになるのは間違いない。
明美「...行くか。」
そう言って明美さんは私に笑いかけてくれた。
その笑顔は、この間までの笑顔とは打って変わって、すごくスッキリした綺麗な笑顔だった。
『はい、行きましょうね。』
そう言って私も明美さんに笑いかける。
明美「とりあえず、顔洗うか。」
『そうですね、泣いた直後ですし、このままだと京子さんに驚かれますからね。』
そう言って私はカバンを持って水道に向かった。
廊下から水道までなんてすぐだけど、その時間はすごく大切なものに感じられた。
明美「...てかさ、なんでその時声掛けなかったんだ？」
『...まず気まずかったのと、私が相良さんと一緒にいたからです。』
明美「あ、あれAだったのか。」
『気付いてたんですか？』
明美「うん。相良歩いてんなーって思いながら行った。」
視界が暗かったのか、それとも私の影が薄かったのか。
結果が怖いのでこれ以上は聞かない事にした。
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みりん - 主人公が喧嘩出来るところ見てみたいです！ (2019年4月14日 21時) (
レス) id: f06c8b23ec (このIDを非表示/違反報告)
らなのMonO(プロフ) - 32話にきゅん死しました。一人でにやけてたら家族に気持ち悪いと言われました。でも気にしない！相良様がいるから！w (2018年12月31日 22時) (レス) id: dce8680b38 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - モカさん» ありがとうございます！続編もちゃんと出すので、モカさんも応援よろしくお願いします！ (2018年11月11日 0時) (レス) id: cdf4b9c055 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - もーめっちゃ面白いぃぃ！！これからも頑張って下さいね(^^) (2018年11月11日 0時) (レス) id: 9ae6381993 (このIDを非表示/違反報告)
花火2016(プロフ) - 浅葱さん» 初コメありがとうございます！相良さんのライバルが人気ですね...。その線が深まってきたのでお楽しみに^^* (2018年11月10日 20時) (レス) id: cdf4b9c055 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：花火2016
| 作成日時：2018年11月4日 16時
