喧嘩ができないスケバンちゃん。２！【今日から俺は！】

第１０話！ ページ12

昨日はあの後もすごく楽しかった。

理子さんと理子さんのお父さんとゲームをしたり

実際に教わったレシピでムロ鍋を作ったり。

こないだの悪夢はなんだったのだろうか。というぐらい楽しい夜だった。

だけどこういう日の朝が1番テンションが下がる。


相良「Aちゃん。」

ドアを開けると、猛さんが家の前にいた。

前言撤回。

テンション少し上がった。

『あれ、どうしたんですか？』

相良「ばーか。一緒に学校行ってやろうと思ったんだよ。また変なのに絡まれたら困るから。」

『別にいいのに...。』

どんだけ私を心配してくれるんだ。

相良「ほら、早く行くぞ。」

そう言って猛さんは、強引に私の手を引っ張った。


相良「しかし...。この時期になるとやたらカップルが増えるんだな。」

『まぁ、もうすぐクリスマスですし...。』

昔はこういうカップルが沢山いる所を見ると、吐き気がしてイライラしていた。

だが！私は今勝ち組にいるんだ！

見てるか、過去の私よ！

今、悪いけどかっこいい猛さんという彼氏が、私の手を握って隣を歩いているぞ！

相良「こういう奴らってすぐ別れんだよな。クリスマスまでに、とか言う奴ってほとんど相手見てねぇから。」

付き合った経験はないが、少しグサッときた。

確かに過去の私は、誰でもいいからクリスマス隣に男がいて欲しいと思っていた。

畜生。

相良「あれだろ、あのウニ頭と成蘭の女番長も付き合ってんだろ？」

『あー、はい。付き合ってます。ちょっと前から。』

相良「てかあのウニ頭、髪型直せばモテると思うのによ。女の為に頭を下げられる男に悪い奴はいねぇし。」

確かにあの人がウニ頭じゃなかったら私も狙っていたかもしれない。

相良「...まぁ、ウニ頭じゃなくなったらお前がそっち行っちまうかもだけどな。」

『辞めてください、不吉な。』

もしも伊藤さんがウニ頭じゃなくても、猛さんほどいい人はいないだろう。


そんな事話していると

『あれ、明美さん？』

明美さんが商店街を走って、成蘭に行ってるのが見えた。

相良「知り合いか？」

『はい。同じ成蘭の仲良い人です。』

相良「何かあったのかもな。」

明美さんがあんなに走ってる姿初めて見た。

本当に何かあったのだろうか。

学校に行ったら、聞いてみよう。

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