【ツイステ】いこうよ、おんぼろ寮(仮)

88.何だか複雑 ページ38

ユウ side


こんにちは、ユウです


午前の授業が終わってちょうどお昼の時間
さっきまではAさんと一緒だったけど、入り口でリーチ先輩達に待ち伏せされて
いたので今は別れてしまった


(…お昼、食べたかったなぁ)


学校でのAさんは結構淡々としている
会うとすごく嬉しそうだし、小走りで駆け寄ってくる姿は俺まで嬉しくなってくる

けど、今日みたいに俺が誰かと会うと

ーじゃあ後でねぇー

と言う具合にすんなり見送ってくれる
後から何を言うまでもなく、帰ってもいつも通り笑顔で迎えてくれる


(普通に、一緒に食べよう、とか言わないのかな)


グイグイくるときは遠慮ない人だと思うのだけど、そう言った誘いは学校では絶対に言わない
エースに少し相談したら「恋してんの？」とか茶化されたのでシバいたのだけど

それくらいの気持ちの判別は自分でちゃんとついてる
恋とか、そう言うものでは本当にない

ただもどかしいような、母や姉のように感じている反面
もっと甘えてくれてもいいのになぁと無意識に我慢させているようで歯痒い


そして本人にそう言われてしまうとこちらからはもう何も言えなくなってしまうから


…一人で食べてないといいけど





『ユウく〜ん！』




(…ズルいんだよなぁ)



そんなことを考えていたときだった
名前を呼ばれて振り向くと、階段の手すりから笑顔で手を振る彼女の姿が見えた


(またスカートであの人は…)


帰ったらまた後で言わないと、と少しため息が出た
本人はそんなこと気にも留めないと言う感じでなんだか嬉しそうだ
さっきまで一緒に授業受けてたのに


(すごい笑顔だなぁ…かわいい)



手を振り返すと目尻が下がってよりニコニコしている
大分目立ってるけどそれは特に気にならないようだ



(…ふふっ)




フロイド「なーにニヤニヤしてんのぉ？」


ユウ「え、っと」


ジェイド「あぁ、編入生の方ですか」



フロイド「…ふーん


ほら行くよぉ、小エビちゃん」


ジェイド「そうですね、アズールも待ってますよユウさん」


『え、あ、ちょっ』

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