【ツイステ】でかけよ、オンボロ寮(仮)

240.耐久チワワメンタル ページ40

目の前で何が繰り広げられているのかわからず見入ってしまったが
ボタンを全て外し両手を襟にかけたところで我に戻った


『まっ、脱がないで!?脱がないでいいですからジェイドさん！！！』


お気になさらず？

すみません目の前で野球拳始まって気にならないやついる？それどこの百戦練磨の猛者？？？

大きな声に彼はピタリと手を止め、此方に再び歩み寄ってくる
なに？今度はなにがしたいんですか？？？(混乱)

私は肘掛の側面に縋るように小さくなるがジェイドさんは肘掛に両手をつき覆いかぶさるように上から目を合わせてきた
すっかり彼の陰に入り、視界には顔、そしてシャツの隙間から胸筋と腹筋の縦線がチラついて情報量過多で泣きそうにはなっている
いつもだったら多少なりともスクショ撮りたいだのほざいて実況中継でも回すがこれは私でも流石に危機感を覚える





ジェイド「これでどうでしょうか、まだ気になるようでしたらシャツも脱ぎますが」



『…いやぁ、本当に大丈夫なんでボタン止めてくだ…さ…





…ぁ』


ジェイド「？、まだなにか？」


『…非常にその…お伝えしづらいん、ですけど

…


ここ、ついてます』



左の首筋の下、鎖骨に近いところ
シャツで全くわからなかったがよりによってこのタイミングで見つけてしまった

肌に浮くように目立つ赤い唇の形、完全にリップマークだ

同じ部分を自分の首で指差し顔を逸らす

(…きっまず)


正直言わなきゃ良かったとすぐさま後悔したが既に手遅れである


(それくらい拭いておいてくれ、せめて形崩すとか

…いや、いいけどもう)





ジェイド「……」




『…あの、ジェイドさ…』






ﾊﾞｼｬｯ







『…え』




彼は長い手で食事と共に並べられていたグラスを手に取った
そのまま自分の頭の上で逆さに返すと、中に入っていた水は重力に従ってそのまま落ちていく

髪はもちろん水は彼の頰や首筋を伝い、シャツの襟は色を変えた
空になったグラスをテーブルに置くと、そのまま首筋の紅を潰すように手で擦る

形を崩した紅のせいなのか、力任せに拭ったのか
鎖骨の周り一体は痛々しいほどに赤く染まっていた


濡れて顔にかかる前髪を無造作に手でかきあげる




ジェイド「これで、如何ですか。Aさん」




『.....い、いんじゃないかと、思われます...(?)』

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