【ツイステ】でかけよ、オンボロ寮(仮)

232.昼時バーカウンター ページ32

入り口で何分ごねたかは分からないがギャラーが増えてきた結果、渋々ラウンジに入れてくれた
以前来たのは閉店後で薄暗かったのだが、雰囲気はガラリと変わって明るい
正直溺れかけたのであの時は二度と来るかと思ったが、こんな形で訪れるとは考えてもなかった


アズール「まずその場違いな服装はなんです？」


『…あ』

アズール「？」

『これ、カリムさんからです』

アズール「カリムさん？…まぁ、預かりましょう

どうぞ、あちらのカウンター席をご利用ください」

『はぁい』


青系色に統一された空間に赤い服装は悪目立ちがすぎる
酷く人の視線を集めているがカウンター席ならそれが刺さるのは背中だけだ
あの時はアクアリウムからの光が幻想的だったが今は店内の雰囲気がよくわかる
社交場、と言う言葉がふさわしい絢爛な造りだ

案内された通りカウンターに着くが目の前にある並べられた缶、これは紅茶の茶葉だろうか


(…紅茶なんて久しく飲んでないなぁ)


どれも文字が違うからフレーバーもきっと違うのだろう
なるほど、未成年に飲酒提供できないから代わりにお茶ってことか。小洒落てる。


フロイド「おはよぉ、クマノミちゃん♡なぁに？それ。ヒラヒラしててオコゼみてぇ」


『いっ……おはよう、ございます』


缶を眺めていたのだが、その間に割り込むように現れたのはフロイドさんだった
グッと顔を近づけられて椅子から落ちそうになる
あぶねぇ、と体制を立て直すと本人は愉快げに笑みを浮かべているが以前見たときより寮服を着崩している

…いや、帽子とジャケットがないだけか？


フロイド「はぁいこれ、アズールからね」


カウンターを挟んでプレートが置かれる
サラダと軽食のミニサンドウィッチ
中身はスクランブルエッグに、アボガト、あとハムとトマト


…おーいしそ


サンドウイッチは揃えて綺麗に整ってる、サラダは彩り豊かでまるで作品だ
アズールさんのあの感じだったら食パンのキレ一枚がいいところだと思ってたけど
特有の慈悲深さか自分の体裁を気にしたのかまぁどちらかは置いといてお礼はしとこう

そしてフロイドさんはカウンターで頬杖をついたまま私の食事風景を見ている
正直食べにくいからどうにかならないだろうかこの状況



『フロイドさんお仕事ないんです？』

フロイド「今はきゅーけー、朝からオレだけでホール回したからもーくったくたなんだよねぇ」


『？、ジェイドさんは？』

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