【ツイステ】でかけよ、オンボロ寮(仮)

213.提案リクエスト ページ13

ヒョイッと器用に片手でトレーを持つと、彼は私の顔横を指さす


ラギー「オレで良ければ揃えてあげてもいいッスよ」

『…えー、ラギーさんできるんですか？』

ラギー「オレ上手いんスよぉ？地元のチビ共のだってオレがやってやってるし
特別にタダでやってあげよっか」

『へぇ、…けど、まぁ、タダより高いものはないって言うか』

ラギー「シシシッ、アンタもなかなかこの学園に染まってきたッスね〜」


普通だったら、ありがとうございますと純粋に受け止める流れなのに
彼が言う様にこの学園に嫌な影響を受けている気がする
染まったと言うより毒されていると言うか、こう無意識に出てくるあたりなんだかなぁ…


『…ラギーさんは、レオナさんと喧嘩とかしたりしますか？』




ラギー「オレが、レオナさんと？」

『はい』

ラギー「いや、喧嘩はないッスよ。まず喧嘩する様な間柄じゃないっつーか、
オレの言うことなんてどうせ聞く耳持ってないだろうし
物散らかすなとか洗濯物は出しておいてー、とか言っても全部生返事だし」


おかしいな、寮長と生徒の関係、または先輩後輩間の話を聞いてみたつもりなのに
なんだか熟年夫婦の愚痴を聞いている気分になってきた
そして全くと言うくらい参考にならなさそうだ
相談する相手間違えたなこりゃ


『一回くらい洗濯物とか投げつけてみれば話聞くんじゃないスか』

ラギー「いやいや、そんなんしたら秒速で機嫌悪くなるッスよ、オレは面倒なこと起きなきゃそれでいいんで」

『さすがですね、扱いもお手の物って感じ』

ラギー「ま、こればっかりはねぇ…伊達に世話してないッスよ
毎日顔合わしてりゃ嫌でも慣れてくるっつーか


Aちゃんと監督生クンだってそうでしょ？」


『…え？』

ラギー「シシシッ、誘導下手すぎ」



『…喧嘩は、してないです。…けど、怒らせちゃったんで』

ラギー「へぇ！あんなおっとなしいthe草食動物監督生クン怒らせるなんてアンタやるッスね〜」

『的確に傷口を抉らないでください』


予想外のものを投げてくるな
これでもかと言うくらいの笑顔、野郎もしかしなくてもわざとだな？



(忘れてた、やっぱここの生徒だわ)




ラギー「…ね、それやっぱりオレが整えてあげよっか」

『？、いや、だからそれは』


ラギー「もーちろん、タダじゃないッスよ。今ハサミなんて持ってないし？



ちょーっと、オレのお手伝いするだけ♪」



『……



オテツダイ？』

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