【ツイステ】おいだせ、おんぼろ寮(仮)

167.暗闇シンキング ページ17

ゆらりと大きな尾びれが魚の影に重なった
水槽の方に目をやるがそこに影のような大きな魚は見当たらない


『…気のせい？』



ﾎﾞﾌｯ



『うあっ』

フロイド「それ被っといてねぇ。スタッフルーム勝手に入れるとアズールうるせーから」


彼は被っていたハットを私の顔を覆うように被せた
目隠しという事だろうか


(…おかしいな。私今日もてなされるって話じゃなかったっけ)


ここまでされるがままだったが、なんだ？
話がチゲェぞ？と言うのはと最早今更である
疑問は尽きないが言葉にしたことで答えが返ってくる気もしない
そしてここで無理やり降りようとすれば腰か足を折られる

抱えられたまま数歩ほど移動すると、ガチャと扉の音が開いたのが聞こえた
頭ぶつけるよと言われて咄嗟に下げると愉快げに笑われ
束の間の沈黙が続いた後階段を上がっているのか体が不安定に揺れた



(…なんの音だこれ、…水…？)



…これまじで水槽にぼちゃんじゃねぇよな？

さっきの割と冗談だったんだけど言ったから現実になるとかそう言う？

流石にこの疲労度で着衣泳は笑えない案件である、高確率で浮かない自信しかない


…え、最終日ってそう言う最終日？



(…お礼、とは？)



お礼参りの間違いでは？？？




『…あのー、フロイドさ』



フロイド「はい、目ぇ瞑ってね」

『え？』

フロイド「瞑った？」

『…はい』



ﾄﾞﾝｯ




『い゛っっっっ！！！！？？』


フロイド「あー、腕疲れたぁ。あ、目開けんなよ。開けたら締めっから」


正気か？いまどっから人のこと落としやがったコイツ
１９０台のとこから床に荷物のごとく落とされ確実に尾てい骨をやった
あの高さから？狂ってるとしか思えない

そんでもって目を開けるなってほど無理な話があるだろうか
帽子で全く見えないのになぜそんなことを言ったか分からないが
律儀に守る私も最早変態か何かなのではと審議をかけたくなる


フロイド「じゃあねぇ、クマノミちゃん。ごゆっくり〜♡」


ふわっと帽子が浮いて、閉じた瞼が少し明るくなる
どこに連れてこられて何が起こっているのか分からないのでその場にペタンと座ったままだ
耳に聞こえる音と、なんとなくの匂いでそこに水があるのはわかる


(…あれ、これ


放置された…な？)


…え、

私今日ここに何しにきたんだっけ


…え？本当に何しに来た？って言うか肝心の招待した本人は？









ジェイド「こんばんは、Aさん」

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