【ゲーム実況者】浅き夢見じ酔いもせず【短編集】

人はいさ　心も知らず　ふるさとは　花ぞ昔の　香に匂ひける／きっくん／煮都柚　リクエスト ページ29

「き“っ”く“ん”と“喧”華“し”た“あ”……」

「はあ……」




人はいさ 心も知らず ふるさとは




面倒臭そうにポッキーをぽりぽり食べているえおえお。


そう、実は私きっくんと喧嘩しました。

なんで喧嘩したのかっていうと、アイスを食べらたから。くだらね。


それで家に居辛くなって、えおえお宅に逃げ込んだというわけです。




「そんなに後悔してるなら帰ればいいのに……」

「はあ！？そんなん無理に決まってんじゃん！」

「なんで？」

「だって悪いのあっちだし……あのアイス結構楽しみにしてたんだよ」




ふうん、と頷いてえおえおは今度はプリッツの袋を開ける。




「Aってきっくんのこと好きなんでしょ」

「うぁ……まあそれは、好きだけど」

「じゃあ早く謝ったほうがいいんじゃないの？」

「でも私悪くないよね！？」




えおえおははあ、とため息をつく。




「じゃあ逆に聞くけど、そのアイス自分のだよって言った？」

「は？」




俺も何回かプリンとか食べられたことあるけど、と呟く。




「えおえおのだってわかんなかったって言ってるよ？」

「自分で買ったわけじゃないんだからわかるでしょ」

「しょうがないよね。馬鹿だもん」




え、これ、私が悪いの？


やまあ確かに自分のだって思って食べてたとしたらさ……。

なんで俺怒られてんの状態になっちゃうとは思うけど。え？私？




「まあ頑張れ。好きなら」




あああああもおおおお！と叫んできっくん宅に走る。



そりゃあこれからもきっくんとは仲良くしてたいよ。

だからさっきまでずっと後悔してたんじゃん。

馬鹿なら馬鹿で、それでいいよ。だから、だから……。




「きっくん……」




きっくんの部屋について、チャイムを鳴らす。

が、しばらくしても開ける気配はない。ドアも鍵がかかっている。


うそ、きっくんそんなに怒ってたの？

もう、仲直りできないのかな……。




「あっ！Aっ！」




後ろから聞こえてくるきっくんの声。




「きっくん……ってええ！？」




きっくんは袋が弾けそうなほどのアイスを買ってきていた。

きっくんは鼻を赤くしながらへへ、と笑う。




「Aのアイス食べちゃってごめん。いっぱい買ってきたからさ」

「……きっくん」

「仲直りしよ？」

「っ……私もごめんねえええええ！！！」




花ぞ昔の 香に匂ひける







￣￣
お久しぶりです！！！遅くなってごめんなさい！！

きっくん推すの超わかります……(こがおはFB推し)


リクエストありがとうございます！！！

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