２８話 ページ28
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スッ、と大きく息を吸い込んでから、口を開いた。
『まずさ、炭治郎が私と距離取ろうとしたのは私が煉獄先生に襲われた時、せっかく助けてくれた炭治郎の手を振り払っちゃった事にあるんじゃないの？ そしたら炭治郎が謝る理由はないでしょ？ 私のことを考えてくれたってのに』
逆に、そんな態度を取っちゃった私のが謝らなきゃいけなかったんだよ。
そう言って笑えば、それは違う！と反論してくる炭治郎。
その瞳は、いつもよりギラついていても、矢張り優しさを捨てきれない慈悲を感じる。
やっぱり、炭治郎は炭治郎だよ。
「俺が配慮出来なかったんだ！ 考えれば、あんな事があった後に触れるなんて考えなしもいい事…本当に、すまない」
『頑固すぎるんだよ、たんじろーはさ。もっと気楽に行こ。私が怒ってないことぐらい、分かるでしょ？』
向き合った状態、だがしっかりとお互いの手は背中に回されている。
いつもの調子に戻ったみたいで、何だが笑みが溢れた。
「…ほんとに、友人でいていいのか？」
『うん』
「もし、俺が理性を無くして襲ってしまったら？ Aを傷付けてしまったら？」
『……そんときは、煉獄先生とおなじ時のようになっちゃうかもしれない』
やっぱり、とぐっと顔をしかめる炭治郎。
違うんだ。炭治郎に、そんな顔をさせる為に言ったんじゃない。
パンッ、と彼の両頬を叩くと上がるのは驚きの声。
『でもね。怖いけどそれでも炭治郎は大切な友達だからッ、ぜったい、絶対に歩み寄る。
だから、だからさ、友達を止めるだなんてそんな事、言わないでよ』
「っ！」
私の悲痛な叫びに比例するようにまた涙が溢れた。大切な友人、大切な人。そんな人を、こんなくだらない事で無くしたくない。
うううっ、と涙を流す私を、彼は本当に、本当に優しい手つきで頭を撫でる。
「…ごめんなあ、A。俺、自分の事しか考えてなかった。Aの気持ち、全然気付いてあげられなかった」
ごめん。とまた優しく微笑む彼は、何時もの炭治郎で、それに安堵した。
すっ、と伸びてきた手を、今度は拒む事なく受け入れた。
「そんなに泣いたら、可愛い顔が台無しだぞ」
『……いーもん、仲直り出来たし。
でも、急に距離置こうとしたことにはまだ許してないからね。今日の放課後一緒に甘いもん食べに行こ』
そんぐらい、これから何度でも行こう。と笑った炭治郎の笑顔は、今まで見た中で一番、綺麗だった。
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アオ猫又(プロフ) - 獪岳が好きなんでこの作品がめっちゃ好きです！ありがとう、作者様…。 (2022年1月1日 21時) (
レス) @page33 id: 6f2bf6bdd1 (このIDを非表示/違反報告)
わらび餅(プロフ) - いつも楽しみにして見させてもらってます！失礼ですが、42話のしのぶさんの台詞の「あっ、そろそろ〇〇さんの番ですね。....」の番が版になっていました。詳しく書けたか分かりませんが、大丈夫でしたでしょうか？あと、更新頑張ってください！応援してます！ (2020年11月22日 21時) (レス) id: 1ef7d533ea (このIDを非表示/違反報告)
るる - 予告とかの文才がありすぎてヤバいです(←文才力0の人) 更新頑張ってください！ (2020年4月17日 12時) (レス) id: 9d2e256c74 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の中の棒人間(プロフ) - みっくす14。さん» コメントありがとうございます。誤字指摘有り難いです......！おこがましいかもしれませんが詳しいページを教えてくださると助かります！(無能で申し訳ないです)。 (2020年1月4日 22時) (レス) id: 46f50694f0 (このIDを非表示/違反報告)
みっくす14。 - いつも見させてもらってます！！でもちょーっと直してもらいたいところがあるんですよね。沢山誤字っております。(..)出会いの方ですかね？ (2020年1月4日 1時) (レス) id: ebaa9545e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：豆腐の中の棒人間
| 作成日時：2019年12月26日 22時
