３週間【青】 (ページ15)

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Shota side

結局ノートは持ち帰ってしまい、明日学校で渡せば良いかなと思っていた。

だけどバイト先は暇なので、ポケットに入るサイズのそのノートを暇つぶしに読んじゃおうかなって悪い考えも浮かんでしまった。

とりあえずポケットに入れたままバイトのレジに立つ。

相変わらず暇だな。

ボーっとしてたら、同じくボーっとしたAセンセーが入ってきた。

え。もしかして常連系？

先週は全く来てなかったはずだけどな…

客が少ないので嫌でも顔は覚えてしまう。

最初は全然俺には気付いてない様子だったけど、視線に気付いたセンセーと目が合った。

そこから客がいないのを良いことにそのまま話し込んだ俺たち。

ノートを返すタイミングも案外早くてちょっとつまらない。

けど、顔面蒼白なセンセーを見てたら、多分その原因はこのノートだろうと思い、返さない訳にはいかなくなってしまった。

ノートを見せれば案の定びっくりした顔。

その時、ああ、見つけたのが俺で良かったって思ったんだよね。

どうしてそんな感情になったのかは謎だけど。

センセーは多分一人暮らしなのか、昨日と同様にいかにも夕飯ですって感じの弁当とお茶を買っている。

「毎日弁当？」と少しからかってみれば、たちまち焦って否定してくるから何か面白くて。

思わず自然に笑うと、笑ったことに何故か驚かれた。

いや、俺普通に笑うし。

なんならゲラだし。

どうやら寝てばかりのトゲトゲしたイメージがあったらしい。

俺だってずっと寝てる訳じゃなくて、起きて授業受けてる時もあるんだけど。

少しだけ興味を持って話してみたら、センセーは結構面白い人だった。

明日からは興味本位で３週間、センセーの授業を聞いてみようかなって。やっぱりそう思ったんだ。

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Aside

渡辺くんに‘’何か秘めてる…？‘’の部分を聞かれた。

「バイトしてることが気になって。部活も去年辞めてるでしょ？…それで何か理由があるのかなって意味で。…気を悪くしたらごめんね、嫌だったら消すから」

渡「…別に」

「あの、…ノート返してくれる？」

渡「うん。俺が持っててもしょーがないじゃん」

そう言って商品の袋の中にノートも雑に入れる渡辺くん。

「ありがとう。見つけてくれたのが渡辺くんで良かった。じゃあまた明日ね」

とにもかくにも、安心して今日は眠れる。

渡辺くんに感謝をしてコンビニを後にしようとした。