３週間【青】 (ページ35)

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2週目_Day8 ページ35

さすがに土日くらいは節約と自炊を頑張らないといけないと心に決め、週末はオアシスであるコンビにに行くのも我慢し、冷蔵庫にある数少ない食料で適当に料理を作った。

土日も渡辺くんはバイトなんだろうか。

そんな考えもよぎったけど、確認に行くことはしなかった。

だいたい学校もないのにコンビニに来られる渡辺くんの気持ちを考えると、ドン引き以外考えられない。

なので彼のバイト事情のことは一瞬でかき消し、実習ノートの記入に没頭した。

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本日、実習2週目を迎える。

今日もA組のホームルームから始まり、渡辺くんが寝なくなった姿も今では見慣れた光景になりつつあることが嬉しかった。

今日も順調に各クラスの授業をこなしていき、昼休みに差し掛かる。

私は簡単にパンで昼食を済ませて、図書室に向かった。

以前ここの図書室に引きこもった時に、あまりの居心地の良さにすっかりお気に入りの場所になってしまったのだ。

こんなに良い場所なのに、生徒がほとんどいないことが不思議なくらい。

明日の授業で使う本もついでに探したかったので、古典文学が並ぶ棚をゆっくりと眺めていた。

あと10分ほどでチャイムが鳴り、5限が始まるという頃、そろそろ戻らないといけないと扉に向かおうとすると、誰かが図書室に入ってきた。

棚の隙間からズボンとスカートを履いた足元だけがそれぞれ見えた。

なぜか思わず咄嗟に隠れてしまい、自ら出ていけない雰囲気にしてしまったことを後悔する。

シンとした図書室にやけに2人の声が響く。

女「急に呼び出してごめんね…」

男「いや、大丈夫」

…え。
まさかこれは…告白のシチュエーションなのでは？

だいぶまずい時に遭遇してしまった自分の不運を呪いたい。

女「私、前から渡辺くんのことが好きで…もし良かったら付き合って欲しいなって」

…え！！

渡辺くんてあの渡辺くん？

いや、でも渡辺ってきっとたくさんいるよね？

男「ごめん…」

そう思って声を聞くと、もううちのクラスの渡辺くんにしか聞こえない。

それ以降の会話は全く入ってこないくらい気まずくて、早く2人が出て行くのを祈るしかなかった。

女「好きな人がいる…とか？」

男「うん」

やがて、すすり泣きと共にパタパタと走り去る音が聞こえる。

渡辺くん、なんで断ったんだろう…なんて考えていたら持ってた本を落としてしまった。

渡「え…だれ？」

…はい、終わった。