３週間【青】 (ページ33)

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Hikaru side

男子生徒たちがここ数日、よくAを話題にして盛り上がっている。

聞き耳を立てると、可愛いだの彼氏いるかだの、思春期男子がよくするような話題。

気にならないと言えば嘘になる。

俺の方がAより数ヶ月先に産まれた事から、昔から何となく自分の方が年上の感覚があって、妹のように可愛い存在だから。

本当にそれだけか…？

正直分からない。

付き合おうとした事もないし、そんな話になった事もないから。

だけど、お互い相手が見つからなかったら結婚するという謎の約束はしていた。

俺は結構これを本気にしていて。

もちろん付き合うと決めてきた彼女たちは、毎回めちゃくちゃ本気で好きになった人。

だからこそ、隠さずAにも伝えてきてた。

Aから彼氏ができた報告を受けた時は、自分で引くほど動揺したのを覚えてる。

何でかは分からないけど、何か焦った。

だから別れたと聞いた時は、慰めたい気持ちが半分、ほっとした気持ちが半分で…泣きじゃくるAを見てつい、キスをしてしまった。

気持ちが勝手にそうさせた。

だけど今の俺たちにはその事がまるで無かったことになっている。

Aが俺を好きとは思えないし、俺も恋愛対象としてAを見てるのかと聞かれれば、それはそれで自信がない。

とにかくよくわからない感情なんだ。

そのモヤモヤは割と昔から抱えてきた感情。

でもやっぱり、家族みたいに大切な存在なんだと思う。

だからAを傷つける奴は、例え彼女だろうが許せなかった。

そして今回の生徒たちも。

昨日の事件後も、大人気ないけど例の2人には割とスパルタに指導してしまった。

まぁ、これを言ったらAに怒られそうなので絶対内緒だけど。

今までの彼女の中には、Aのことを明らかに悪く思う子もいて。

それを言われる度に不快な気持ちになったし、あっけなく好きという気持ちも冷めてしまった。

今回付き合うのを決めたのは、もちろん気になっていた子ではあったけど、俺自身約1年近く彼女がいなくて、Aといることが最近一段と増えたことに少し距離をとりたかったから。

お互いの為に良くないかなって勝手に判断した。

今回は同じ過ちを繰り返さないようにと、Aに強めに釘を刺されたけど、多分その信念を曲げる事は俺にはできないかな。

矛盾してるかもしれないけど、それくらいAは俺にとって大事な存在だから。