３週間【青】 (ページ21)

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渡「別に。普通じゃない？」

「まず活発な感じが珍しくて。よく笑う人なんだね、本当は」

渡「だから俺のイメージどんだけ隠キャだよって」

「ごめんごめん」

全く逆の陽キャだと判明したこともノートに追加しておこう。

翔「ふっかと佐久間と仲良いの？」

ふっかとは深澤くんだよね、きっと。

「仲良い訳じゃないけど、2人にはいつも助けてもらってて。授業でシンとしちゃう時とか必ず盛り上げてくれるんだ」

翔「へー」

「2人と一年生の時同じクラスだったんだってね？」

渡「うん」

「あ、それから井沢さんと宮舘くんとは幼馴染らしいじゃない？」

渡「え、なんでそれ知ってんの？」

「井沢さんが教えてくれたの。隣同士いつも楽しそうで仲良しでいいなーって微笑ましく見てるよ」

渡「…別に」

あれ…なんか気に障ること言っちゃったかな？

渡辺くんが急に不機嫌そうな顔をしたので、「じゃあまた明日ね」と言って、足早に店を出ることにした。

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Shota side

先に話題を振ってくれたセンセーに感謝しつつ、会話できるこのたかだか数分が、1日の中で最高に嬉しい瞬間と噛み締めていた。

しかし話した内容といえば、勝手に隠キャなイメージ持たれてたり、ふっかや佐久間にすでに信頼を寄せてるエピソードなどで若干面白くない。

しかも由香の奴がいつの間にか勝手に涼太と俺が幼馴染ってことも話してるし。

センセーに由香との仲を褒められた時もなんか複雑な心境だった。

センセーにとっては所詮生徒の1人。

俺が女子と親しくしてようが、これっぽっちも気にならないんだなって。

ついつい態度が悪くなってしまい、先生は気まずそうに帰ってしまった。

せっかくの貴重な時間になんて勿体ないことしてしまったのだろう。

センセーは彼氏いんのかな…

どういう男がタイプなの？

ぶっちゃけ年下ってどうすか？

聞きたいことは山程あるのに一つも聞けなくて情けない。

まずは、意識してもらわないことには始まらないよな。

明日はどんな1日にしよう。

センセーはどんな顔でどんな風に教壇に立つのか、そして明日またこの場所で2人でどんな話ができるのか…

そんな想像をするだけで、今までの眠くて腐りかけていたつまらない日々が、嘘みたいに期待と希望で色付き初めていた。