３週間【青】 (ページ12)

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照はさっそく女子生徒たちに囲まれて、笑顔で彼女たちを上手にあしらっている。

変な噂が立たないといいけど。

その後ろでクラス日誌を持って軽く会釈する井沢さんと目が合った。

「あ、井沢さん。日誌ありがとう」

由「いえ、A先生って岩本先生とお知り合いなんですか？」

「うん、まぁ幼馴染というか、腐れ縁みたいな感じかな」

由「そうなんですね！…じゃあ私と翔ちゃんと涼ちゃんみたいな感じだ」

「翔ちゃん…は渡辺くん？」

確かそう呼んで起こしていた気がする。

由「はい！涼ちゃんは宮舘涼太です」

「え、3人は幼馴染なの？」

由「はい！」

そうだったんだ。

同じクラスで、しかも渡辺くんは隣の席なんてまさに腐れ縁。

「本当に私たち何だかんだ境遇が似てるね」

由「大学は離れちゃうかもですけどね」

「そうなの？」

由「はい。多分バラバラじゃないかな…。翔ちゃんは大学行かないかもとか言ってるし」

そうなんだ…。

やっぱり何か訳ありなんだろうか。

「日誌、預かるね。井沢さんはこれから部活？」

由「はい。行ってきます！」

そう爽やかに去っていった。

彼女はバトミントン部のエースとして大会でもいつも大活躍してるみたい。

文武両道とはまさに彼女のこと。

井沢さんの背中を見ながら頑張って！とエールを送り、まだやる事が残ってるという照にも別れを告げて更衣室へと向かった。

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カバンを整理している時に大事な生徒ノートがない事に気付く。

うそ…。

あれを無くすとか絶対ありえない。

自分用の生徒のメモみたいなもので、いわば個人情報も満載だ。

私は一気に血の気が引き、顔面蒼白になる。

どこで無くした…？

落ち着いて。冷静に考えよう。

最後に書いたのは確か…5限の後。

宮舘くんと渡辺くんのことを記入して…

そこから記憶がない。

ってことは教卓の上…？

私は猛スピードで階段を駆け上がりA組の教室に向かった。

誰もいない教室に入り、教卓を見るけど上にも中にもノートは無くて…。

教室内を探し回っても無い。

これはもう色々まずい…。

自分の自覚の無さと忘れっぷりをこの日程恨んだ事はなかった。

偶然に見つかる事を祈るしか無くて、モヤモヤしながら仕方なく学校を後にした。