佐久間先輩×花火 ページ33
小さい頃、よく姉と一緒に花火をする前に自分たちで袋から花火を取り出し、種類別に並べた後でどの花火から火をつけるか選ぶのが好きだった。
今はまさにその種類別に並べてる作業の真っ最中。
途中で色々な人が花火を取りに来て「これもらいまーす」なんて声を掛けられる。
どうやら私はすっかり花火屋さんのポジションになっているらしい。
でも、全然嫌な気はしなくてむしろ楽しかった。
きっとみんな最後に残しているのか、線香花火が大量に残っている。
やっぱり王道の打ち上げ花火や変わり種の花火が人気で、あっという間にテーブルから無くなっていった。
遠くでは打ち上げ花火やロケット花火で盛り上がる男女の声が聞こえてくる。
美佳も今頃先輩と楽しんでいるかなってぼーっと眺めていたら、
シュンシュン!という音と共に激しく渦を巻いて私の足元にネズミ花火が近づいて来た。
懐かしい…!
という気持ちと共に、シンプルに驚いてしまい、
「えっ?!わぁ!怖い怖い!」
と思わず必死に逃げ回ってしまう。
佐「ぬわぁーー!」
その時大きな掛け声と共にこちらに猛ダッシュしてくる影が見える。
暗闇から現れたその影は、やがて綺麗なピンク色の髪の毛に変わり、息を切らした佐久間先輩が目の前に現れた。
佐「ごめんね(人1)さん!!怪我してない?!」
今もなお息切れしたままに、突然名前を呼ばれて驚いてしまう。
「はい…大丈夫です」
佐「良かった〜。あっちでさ、みんなで一斉にねずみ花火の勝負してたんだけど、友だちがふざけて俺のだけ蹴っ飛ばしてさぁ!ほーんとムカつくよねー!」
あたかも昔から知り合いかのようにツラツラと話しかけられるので、「はぁ」と曖昧に返事することしかできず、やや戸惑ってしまう。
だけど、思っていたより親しみやすい人なんだなって思った。
佐「ここで何してたのー?」
「あ、花火仕分けしてました」
佐「えっ!?マジ?!これまさか(人1)さん1人でやってくれたの?」
「はい…」
佐「えー!ありがとう!偉すぎ!マジでみんなに言っとくわ!」
「いえいえ、言わなくて大丈夫です」
そんな大したことはしていませんので…
佐「あ、俺、3年の佐久間大介!アニメオタク兼、ダンスサークルの部長ね!」
そう言ってニカッと笑って手を差し出してくる。
もちろん存じ上げております。
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由希(プロフ) - こちらも読ませて頂きました!やっぱり渡辺先輩いいですね。続きがあったら読みたいです!これからもほかも読みますね! (8月2日 10時) (レス) @page40 id: 4a86c3b00e (このIDを非表示/違反報告)
みんみん - 物語の構成が抜群でした!本当にキャンプに来た気分になれてワクワクしました。全員分の続きが気になりますが、やはり最後の渡辺先輩が印象強いです。苦手だったはずなのになぜか気になり、いつの間に好きに!?ってなったら最高ですよね。読んでみたい!! (2022年2月23日 19時) (レス) id: d946c1f5c6 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - あしゅさん コメントありがとうございます。そんな風に言って頂けてとても嬉しいです(涙)誰かしらの続きは必ず書こうと考え中なので、その時また覗きに来て頂けたら嬉しいです!! (2021年10月1日 12時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
あしゅ(プロフ) - はじめまして!どのお話も続きが気になるものばかりでキュンキュンしながら読みました!出来ることなら全員分の続きが読みたいです!! (2021年9月30日 22時) (レス) id: 0768c9f17f (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - sakiさん こちらの作品も読んで頂き、そして貴重なご意見ありがとうございます^ ^是非参考にさせて下さい!続編前向きに検討したいと思います^^ (2021年9月27日 11時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:R | 作成日時:2021年9月8日 2時