A miracle of chance （青）short story 5

夏休み__嬉し恥ずかし編__ ページ36

22時前にはベッドに入っていて、明日に備えて早く寝るのかなって思ってた。



「翔太くん明日何時起き？」


翔「んー…8時半なら何とかなるかな」



目覚めから30分で家を出れちゃうのは見習いたい。



「起こす？」


翔「…お願いします笑」



そう言ってちょっと罰が悪そうに笑っているのが可愛い。


必要とされてるようで、起こす役目は好きなんだ。

…ってことは、恥ずかしいので言わないでおいた。



正直私は今日一日の嬉しさと楽しさの余韻が残ったままの興奮状態で、まだあまり眠くなかった。


だから翔太くんが寝るのを見届けたら本でも読もうかなって。



向かい合って横になりながら子どもたちを寝かしつける時みたいにごく自然に翔太くんの頭を撫でたり、背中の辺りをトントンしていた。



翔太くんも目を閉じていて、今すぐにでも寝ちゃいそう…





ピコン！

ピコン！





「え」



急に静まり返った部屋にメッセージ通知が2件。



バイブにしておくの忘れてた…



翔太くんはしっかり目を開けて「なに？だれ？Aの？」って、せっかくウトウトしていた所を起こされて不機嫌そうだ。




「ごめんね…音消すのすっかり忘れちゃって…」


バイブに切り替えた時についでにメッセージも開く。




「え…」


翔「どした？」


「深澤くんから」



翔「はっ？なんて？！」



翔太くんは深澤くんの名前を聞いた途端ベッドから起き上がる。

「

『今日なべと一緒でしょ？ショーパン気に入った？わら』

『どんな感じか写真待ってるねー！わら』


って書いてある…」



翔「あいつ…会ったらフルシカトだわ」



深澤くんからの連絡は、あの告白以来だったからちょっとだけ気まずかった。


だけど、この内容を見たら気まずさなんて忘れてしまう。

一度くれた連絡に応じなかったことも謝れていないままだったのに…


多分、彼なりの優しさと気遣いで送ってくれたんだってすぐに思った。



「優しい人だよね、本当」


翔「どこが？返信しなくていいからね」



翔太くんはすっかりご立腹で、
隣でずっと「マジで無理〜」とか言っている。




とりあえず今返信したら翔太くんが本当に怒ってしまいそうなので、後日返信することにした。



もちろん部屋着の内容には触れないけれど。

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