#44 〜第4章 再生〜 ページ44
電車の中では何となく気まずい空気が流れ、駅に降り立ち、家へと歩き出す。
雨はもう、すっかり止んでいた。
「翔太…目黒くんから何か聞いてたりする？」
変な空気に耐えられなくて、思い切って自分から切り出す。
翔「…何かって、何？」
「うーん…あのさ、自惚れかもしれないけど…もしかしたら目黒くん、私の事好きなのかもしれない、、」
翔「…」
「え、ちょっと何か言ってよ。恥ずかしいじゃん」
翔「…お前がそう思うなら、そうなんじゃん？」
そんな何とも言い難い返事で私を惑わす。
「…んー、、そっか」
翔「…まさかだけど、、お前も好きとか言わないよね？」
「ちょっ！そんな訳ないじゃん！バカじゃないの？」
翔「…バカって言うなよ」
「私が好きなのは翔太だけっ！」
思わずムキになって、
勢いでそんな恥ずかしい事を言ってしまった。
翔「…んふふ、笑」
「…笑わないでよ、酷すぎ」
翔「俺もAが好きだよ。…意地悪言ってごめん」
「…っ」
今、サラッと好きって言われた。
それに…
久しぶりに名前を呼ばれて、こんなにも嬉しいなんて。
翔「俺さ、今日気になってる会社の最終面接があって、来週結果が分かるの」
「そうだったんだ…。だからスーツなんだね」
翔「そう。さすがにスーツまで持って出なかったから康二の借りたけど、笑」
「えっ、嘘でしょ？」
翔「いやマジ。結構イケてるでしょ？笑」
翔太が立ち止まってドヤ顔でスーツ姿を改めて見せつけてくる。
「…うん。会った時からかっこいいなって思ってたよ」
悔しいけど、本当の事を話す。
翔「え…なんか調子狂うんだけど」
私の反応が予想外だったようで、本気で戸惑う翔太がちょっとだけ可愛い。
翔「…あのさ、採用になったら、俺、家戻るから」
そのままの流れで、照れ臭そうにそんな宣言をする翔太。
その時にはもう、あっという間にマンションの下に到着していた。
「うん、待ってる…」
なんだか急に寂しくなり、翔太の手を握る。
翔太は、
そのまま私を引き寄せて抱きしめた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
R(プロフ) - みかさん» 嬉しいですー！ありがとうございます🥺✨ (2022年8月31日 14時) (
レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
みか - あっという間に読んじゃいました🤣 (2022年8月30日 19時) (レス) id: d2e789e792 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - まりもさん» そんなそんな😳💦でも嬉しいです。読んで頂きありがとうございました🥺✨ (2022年8月27日 5時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 話がちで神すぎません！？こんなに神作が作れるだなんて...尊敬してます！🤗 (2022年8月26日 10時) (レス) @page50 id: c571029d19 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - pupupupu8887さん» そんな風に言って頂けて私も幸せです🥺ありがとうございます！またお話が書けるよう頑張ります☺️ (2022年8月24日 20時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：R
| 作成日時：2022年8月12日 17時
