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#5 ページ5

歯車が狂い出したのは、翔太が3社目の大手企業から断りの電話を受けた頃だった。





その日は休日で、私も隣でその電話の様子を聞いていた。





翔太の暗い声から、不採用だという事はすぐに分かった。







翔「…ちょっと出てくんね」






電話を切った後、フラッと立ち上がった翔太はそのまま玄関を出て行った。






「うん…行ってらっしゃい」






私はもちろん改めて結果なんて聞く事はできず、翔太の後ろ姿を不安な気持ちで見送った。






お昼過ぎに出て行った翔太は、夜になっても帰って来なかった。





心配になって何度もメッセージを送り、何度も電話をかけた。






せめてもと、翔太の好きな料理を作って彼の帰りを今か今かと待っていたのに。






いよいよ日付けが変わりそう…という時間に、

カチャリと玄関の扉が開いた。






私は急いで玄関に駆け寄る。




すると、






翔「ただいま〜」


呑気に微笑む翔太がそこにいた。






「どこ行ってたの?連絡もつかないし、心配したんだからね!」





急な安心感から涙がポロポロと溢れ、翔太の胸を拳で軽く叩いた。






翔「…ごめんて。マジごめん…っ」






私の涙に動揺したのか、翔太が慌てて私を抱きしめた。






その瞬間、いつもの香水の香りに混じってアルコールとタバコの匂いがした。






「どこ…行ってたの?」






翔「いや、コンビニ行ったらたまたま高校の時の後輩に会って。で、そっからなんか話盛り上がっちゃって何人かで集まる事になって。んで、居酒屋で飲んでた」






「なんだ…それならそうと一言連絡してよ」






翔「ごめん。全然スマホ見てなくて」



それから翔太はチラッと食卓に視線を移す。





翔「飯…作ってくれてたんだね」



眉を下げ、本当に申し訳なさそうな表情で私を見る。





「うん。だけど、翔太が無事で良かった」






…本当に良かった。


自暴自棄になって、もしかして変な事考えてたらどうしようって…それが1番不安だったから。






翔「今度からもっとちゃんとマメにケータイ見ます」





「本当に。そうして下さい」







そんな約束をして、


ふふふって笑い合って、


触れるだけのキスをして、


今日も1日が終わった。







私は翔太が帰って来てくれた事がとにかく嬉しくて、

安堵する気持ちが強くて。






だからかな…



翔太が何かを吹っ切った事なんて、この時何も気付かなかったんだ。

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R(プロフ) - みかさん» 嬉しいですー!ありがとうございます🥺✨ (2022年8月31日 14時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
みか - あっという間に読んじゃいました🤣 (2022年8月30日 19時) (レス) id: d2e789e792 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - まりもさん» そんなそんな😳💦でも嬉しいです。読んで頂きありがとうございました🥺✨ (2022年8月27日 5時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 話がちで神すぎません!?こんなに神作が作れるだなんて...尊敬してます!🤗 (2022年8月26日 10時) (レス) @page50 id: c571029d19 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - pupupupu8887さん» そんな風に言って頂けて私も幸せです🥺ありがとうございます!またお話が書けるよう頑張ります☺️ (2022年8月24日 20時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:R | 作成日時:2022年8月12日 17時

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