#39 ページ39
「ちょっと、、1人で歩けるから」
急に握られたその手に、少しだけ酔いが覚める。
目「危ないんで」
目黒くんは相変わらず多くを語らず、ただ前を見て歩く。
繋いだ手は決して離してくれそうにない。
「今日は目黒くんが頑張ったお祝いなんだから、今から戻っても間に合うよ？」
目「俺、Aさんにお礼が言いたくて」
私の提案は無視して、彼が言葉を続けた。
「お礼？…私何かしたっけ？」
目「営業から戻った日、実力じゃなくて見た目の事だけ言われてすげー落ちてたら…」
…あ、あの時か。
目「Aさんがそうじゃないよって部長にキッパリ言ってくれた気がして…めっちゃ嬉しかったんです」
「あの時は私も悔しかったから…偉そうな事言っちゃってごめんね」
目「マジで嬉しかったです。…俺、Aさんのそういうとこにめちゃくちゃ惹かれます」
急に歩みを止めてじっと私を見つめながらそんな事を言うので、咄嗟に自分の中の回避モードにスイッチが入る。
「はは、大袈裟。事実を言っただけだよ。…とりあえずさ、来週からもまた頑張ろうね！」
この話はこれでおしまい！というように切り替えようとしたのに、目黒くんは全然納得していない顔をしている。
「もう本当にここで大丈夫、あとは帰れるから」
目「こんな街のど真ん中で、酔った女性を置き去りなんてできないですよ」
「んんー…じゃあ、迎えに来てもらう！彼氏に！ねっ！」
もうここは強行突破で行くしかない。
目黒くんと気まずい感じには決してなりたくないから。
目「…渡辺さんにですか？」
！！？
「えっ…なんで…？」
目「やっぱり。…さっき小林さんとの会話でチラッとそんな話聞こえたんで」
小林さんとは愛ちゃんの事。
…まぁバレたところで目黒くんが翔太を知ってる訳じゃないし、別にいいか。
目「それって…前に会社辞めたって話してた渡辺さんて人とと同じ人ですか？」
「うん、そう」
よく覚えてるなぁ…なんてこんな時でも感心してしまう。
「今から呼ぶから、だから大丈夫。安心して」
とにかく目黒くんを巻きたい一心でそう言ったのに、
目「じゃあ来るまで俺もここで待ってます」
そう言って全く引いてくれない。
そのうちに急にパラパラと雨まで降ってくる最悪の事態。
どうしようって思ってたら、「こっから家近いんで」と、
今度は目黒くんに手を引かれて走り出していた。
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R(プロフ) - みかさん» 嬉しいですー！ありがとうございます🥺✨ (2022年8月31日 14時) (
レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
みか - あっという間に読んじゃいました🤣 (2022年8月30日 19時) (レス) id: d2e789e792 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - まりもさん» そんなそんな😳💦でも嬉しいです。読んで頂きありがとうございました🥺✨ (2022年8月27日 5時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 話がちで神すぎません！？こんなに神作が作れるだなんて...尊敬してます！🤗 (2022年8月26日 10時) (レス) @page50 id: c571029d19 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - pupupupu8887さん» そんな風に言って頂けて私も幸せです🥺ありがとうございます！またお話が書けるよう頑張ります☺️ (2022年8月24日 20時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：R
| 作成日時：2022年8月12日 17時
