ヒモカレ【青】

#26 ページ26

今朝のミーティングの事はとりあえず一旦忘れ、私は仕事に取り掛かる。






…と、

「Aさん」と急に部長に呼ばれる。







デスクまで行けば、目黒くんもなぜかその場で待機していて。






「はい…」






部「あ、Aさんにね、目黒くんの指導係を任せようと思って」






「えっ…私ですか？」






部「うん。Aさんももう3年以上経つし、一緒に営業回るパートナーをつけても良い頃かなと思って」






それは私にとって目標の一つだったので、突然の任務に驚いてはいたけど、正直喜びも感じていた。






だけど翔太はこの役目を入社2年目からすでにしてたんだもんなぁ…





そう考えると、改めて翔太の仕事ぶりには尊敬する事ばかりだ。







「わかりました。…あ、営業のAAです。頼りないかもしれませんが、よろしくお願いします」






私はおそらく20センチ以上背が高い彼を見上げながら、名刺を渡して改めて挨拶をする。






目「こちらこそ、よろしくお願いします！」







こうして私と目黒くんは、今日から仕事上のパートナーとなった。






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今日は午前中に1軒、午後に2軒の飲食店をまわり、インターネット掲載用の広告の提案をすることになっていた。






1軒目のお店に行く為、私と目黒くんは職場を出て並んで歩く。






「今から行くお店は、すごく可愛らしい雰囲気のカフェなんですよ」






何か話題をと思い、とりあえずお店の紹介をしてみる事にした。





目「確かに、さっきちょっと調べたら女性が好きそうっすよね」





「えっ！もう調べたの？」





目「はい。さっきAさんに今日行くお店教えて頂いたので、一応全部検索しました」






「わ、素晴らしい！目黒くん、仕事早いね！」





目「出来ることから頑張ります！」





そんな彼の謙虚な姿勢に、私は好感を持った。






その後も、私がお店の方と打ち合わせをする間、隣でメモを取ったり、振られた会話に一生懸命笑顔で相槌を打ったりして‘’頑張ろう‘’という彼の強い意気込みも感じられた。





だから初めてできた仕事のパートナーである彼を、この時全力でサポートしてあげたいって思ったんだ。

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