#14 ページ14
玄関を開けると、リビングからは光とテレビの音が漏れている。
そっとリビングの扉を開けて思わず言葉を失う。
ここ最近ではすっかり見慣れた光景がそこには広がっていたから。
散らかった部屋に、シンクに溜まった食器の山。
そしてソファーで爆睡している翔太の姿。
「…た」
「翔太！！！」
翔「うわぁぁ！なになになに！？」
翔太が慌てて飛び起きる。
その姿は滑稽なのに、私は1ミリも笑えない。
「ただいま」
努めて冷静にそう告げる。
…落ち着け私。
決して感情を剥き出しにしてはダメ。
渡「いやマジでビックリさせんなし」
「…」
渡「心臓に悪いわ」
…なんで私がキレられなきゃいけないの？
「私、いつもより2時間以上帰り遅いんだけど？」
翔「あ、うん。…お疲れ」
「心配じゃないの？前にもこんな質問したけどさ」
自分で自分の声の冷たさに驚いてしまう。
翔「いや、心配してたよ。…なのに寝てごめん」
翔太は何かを悟ったように先に謝ってきた。
「部屋、散らかり過ぎじゃない？」
私は苛立ちを抑えられない。
ダメだ、このままじゃ冷静に話せない。
そう感じた私は、心を落ち着けるように淡々と部屋を片付け、皿を洗い、買ってきた惣菜をパックのままテーブルに並べていく。
「…ご飯は？」
翔太の目も見ずに聞いた。
翔「あ、今日ちょっと1人で外で飲んできた」
「え…なんで？」
翔「なんでって…なんで？」
「そんなお金あるなら…少しは家に入れてよ」
翔「…」
「今日は何してたの？」
翔「何って…仕事探してたよ」
明らかに翔太の声が不機嫌になるのが分かる。
「見つかった？」
翔「いや。…色々あんだよ」
「色々って何？正直私には翔太が毎日必死で仕事探してるようには見えないんだけど。
朝も全然起きないし、帰ってきてもまた寝てるし、こんな風に部屋は汚いし」
今まで我慢していた気持ちが止まらない。
「家の事もしない、お金も払わない。…私は翔太と違って働いて疲れて帰ってきてるのに…！」
言ってからハッとする。
私はきっと今、言ってはいけない言葉を口にした。
恐る恐る翔太の顔を見ると、
案の定、
怒りとも、悲しみとも、悔しさともとれる複雑な表情で、私をただ見ていた。
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R(プロフ) - みかさん» 嬉しいですー！ありがとうございます🥺✨ (2022年8月31日 14時) (
レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
みか - あっという間に読んじゃいました🤣 (2022年8月30日 19時) (レス) id: d2e789e792 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - まりもさん» そんなそんな😳💦でも嬉しいです。読んで頂きありがとうございました🥺✨ (2022年8月27日 5時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
まりも - 話がちで神すぎません！？こんなに神作が作れるだなんて...尊敬してます！🤗 (2022年8月26日 10時) (レス) @page50 id: c571029d19 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - pupupupu8887さん» そんな風に言って頂けて私も幸せです🥺ありがとうございます！またお話が書けるよう頑張ります☺️ (2022年8月24日 20時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：R
| 作成日時：2022年8月12日 17時
