ヒモカレ【青】

#11 ページ11

それからというものの、味を占めたように翔太は目に見えて堕落していった。






無理しなくていいよと言ったあの日から、洗い物はおろか、まともにゴミを片付ける事もしなくなった。






基本的に彼は綺麗好きで、むしろ率先して掃除をするタイプだったのに。






しているかしていないかわからない就職活動に、私は1人やきもきする日が続いた。







翔太が仕事を辞めてから今まで折半していた家賃や光熱費は全て私負担。





食費だってもちろんかかるけど、翔太が気を使ってお金を渡す気配は今のところなくて。






だけど翔太だって貯金が全くない訳じゃないとはいえ、収入がない彼に折半してとは到底言えない。






だからこそ、働いて欲しかった。





せめてやる気だけでもいい。





誠意を見せて欲しいのだ。








しかし翔太は何かを諦めているように、積極的な動きをパタっと見せなくなった。






いつまでこの生活が続くのか…






そろそろ私も、心を鬼にして一度ガツンと言わなければ。






だけど私は、今朝も翔太の為にお昼ごはんのオムライスをせっせと作っている。






まだベッドで寝ている彼に「いってきます…」と力無く伝え、ため息と共に家を出た。

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