#43 ページ43
「2人、知り合いなの？」
久「中学の時、同じ塾に通ってたんだよ」
辰「ここに入学したっていうのは親伝いで聞いてたけど、初めて会ったね、笑」
「元気？」なんて、2人の会話が始まる。
…かと思いきや、
久「そうだ、渡辺って私と最寄り一緒なんだよね？」
渡「えっ？あっうん！そう！」
不意打ちに久美に話しかけられて渡辺くんが焦ってる。
…ふぅん、緊張しちゃってさ。
辰「Aちゃんはどこ住んでんのー？」
今度は辰哉から私に質問。
「△△駅だよ」
辰「そうなんだ、俺は□□駅」
翔太と久美の住む駅の一つ先の大きな駅が最寄りらしい。
またしてもチーム特急が増えてしまった。
そんな話をしていたらタイミング良く特急電車の到着を告げるアナウンスが流れる。
久「私今日はAと一緒に各駅で帰ろうかな」
「え、いいよいいよ！それに私、買い物頼まれてて寄る所もあるし」
…これは全くの嘘。
本当なら私も3人に合わせて特急から乗り換える事だってできるけど…
渡辺くんと久美が再び話す機会がこんなにも早くやって来てしまい、これ以上2人の会話を見ているのは正直辛い。
できれば辰哉にも遠慮してもらいたいとこなんだけど、彼は渡辺くんの好きな相手が久美とは知らないから仕方ないか…
私は隙を見て、「渡辺くんやったね、一緒に帰れるじゃん！」と、精一杯の笑顔を作って小声で彼の背中をポンと叩いた。
…なのに、隣で私を見下ろす渡辺くんの表情は曇っている。
渡「…俺はチャンスあげないから」
そして何を言い出すかと思えば、ぶっきらぼうにそう言って視線を逸らす。
…え
なんで？
渡辺くんにとっても、辰哉と私を2人きりにさせるのは目的のはずなのに。
彼の考えが分からないまま、特急が到着してしまった。
3人が電車に乗り込んで行く。
久「じゃあね、A。気をつけて帰るんだよ」
「うん、久美もね」
手を振ろうと思ったのに、渡辺くんは下を向いて私を見ようともしていない。
悲しい気持ちで3人を見送ろうとした、
…その時、
辰「あ！急用思いだした！」
そう言ってドアが閉まるギリギリで、辰哉が電車を飛び降りた。
呆然とする私と、渡辺くんと、久美。
渡辺くんは信じられないという顔でドアに張り付き、そのまま久美と渡辺くんを乗せた電車は去ってしまった。
ニヤッと笑う辰哉は、いったい何を考えているのか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2690人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
R(プロフ) - なおさん» 何度も読んで頂き嬉しいです🥺こちらこそありがとうございます！ (8月17日 22時) (
レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 初めまして！このしょっぴーと主人公ちゃんが大好きですー💕実は何度も読み返していて😊今日もきゅんきゅんさせて頂きました♥️ありがとうございます！続きもまた読みます💙 (8月17日 16時) (レス) @page50 id: 61924ce533 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - みみみさん» 嬉しすぎます！ありがとうございます🥺✨ (2023年4月5日 20時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 素敵すぎです！あー、しょっぴーに惚れてしまった♡ (2023年4月5日 13時) (レス) @page50 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - ピカンチ★さん» この作品を見つけて下さりありがとうございます🥺💙ハニレモ良いですね☺️🍋お時間がある際に良かったら番外編も覗いて下さると嬉しいです🥺💙 (2022年6月25日 19時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：R
| 作成日時：2022年5月22日 14時
