ねぇ、ちゃんと聞いて【青】

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渡「意外と緊張しいなんだよ、俺」




「本当に意外だよそれ、笑」





渡「だから最初はダブルデートが良い」





「誰と？」





渡「俺と藤田さんと、（人1）さんと誰かさんの」







…なるほど。




そんなの私にとっては地獄だよ、渡辺くん。







「誰かさんて誰よ、笑」





渡「んー、最悪佐久間でいっか」






「最悪とか失礼すぎるでしょ」





渡「佐久間と今までそーゆう関係にはなんなかったの？」






「ないない、さっくんは本当に良い友だち」





渡「なんだ、協力し甲斐がありそうなのに、笑」






渡辺くんは本気で私の恋に協力してくれるつもりらしい。







もしも好きな人ができたと嘘をついたら…



少しは気にしてくれるんだろうか。







ほんの興味本位で、私は渡辺くんの反応を確かめてみたくなった。







「実はさ、…気になる人できたかも」






渡「えぇっ？！マジ？誰誰誰？！」







…そんな嬉しそうにしないで。




…そんな風に、瞳を輝かせないでよ。







「…先輩？」






本当に申し訳ない事に、私は昨日階段の踊り場でぶつかったあのふっかと呼ばれる先輩に、勝手に協力してもらう事にした。







渡「先輩？って何で疑問系？」






「いや…昨日初めて校内で会った人で、多分先輩かなぁって」





渡「マジか！良いじゃん良いじゃん！今度見かけたら絶対教えてよ？」





「ん、わかった」





渡「なんか分かんないけど、（人1）さんの好きな人ってすげぇ興味ある！笑」








…本当はあなたですけどね。



だけどあくまでも、それは勝手な私の片想い。







「そこまで恋愛に無縁なイメージ持たれてたなんて心外だなぁ、笑」







本当は渡辺くんの反応に傷付いていたけど、


気丈に明るく振る舞う自分が、何だか切なかった。

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