#48 ページ48
昼休みが来てしまった。
喜びと悲しみを抱えながら向かう屋上への道のりは、何だかいつもより長く感じた。
渡辺くんの恋がどんどん加速する一方で、久美の恋もうまくいってたとしたら…
それこそ本当にどのタイミングでその話を打ち明けたら良いのだろう。
早くこの問題からも解放されたいよ…
重くのしかかる重圧に耐えながら屋上への階段を登っていた、
その時。
渡「あ、（人1）さん」
後ろから大好きな人の声がする。
振り向けば渡辺くんも階段を登ろうとしていて。
てっきりまたベンチで寝ていると思ったのに、不意に後ろから登場するなんて聞いてない。
昨日電車に乗る時まで不機嫌そうだったのに、今は何だか嬉しそうな顔で私を見ている。
今にも幸せですって言いた気な顔しちゃって。
だからかな、
何だかやっぱり聞きたくなくて。
気付いたら私はそのままダッシュして渡辺くんから逃げた。
渡「は？えっ？！ちょっと！何！？」
後ろからそんな渡辺くんの慌てた声が聞こえてくるけど、構わず私は走る。
屋上の扉を開けた所で、逃げ場なんてないのは分かっているのに。
渡「ちょっと…！どういうつもり？」
息を切らした渡辺くんが追いかけて来た。
それでも引くに引けなくなった私は、無言の抵抗を続けて屋上を徘徊する。
渡「ねぇ」
「…」
渡「ねぇってば」
誰もいない屋上で、歩き回る私と追いかける渡辺くん。
側から見たらだいぶ滑稽な光景だ。
どうしよう、聞きたくない。
もし久美との話をされたら、私…
渡「A！」
ドキッと心臓が跳ね上がった。
今…
名前で…
驚きすぎて、反射的に後ろを振り返る。
すぐ後ろに渡辺くんがいて、軽く私を睨みながら見下ろしていた。
渡「やっと見た。…なんで逃げんの？」
「だって…」
渡「ん？」
「渡辺くんが…」
渡「俺が何？」
「良くない事を…」
渡「良くない事？…何の話？」
渡辺くんは意味が分からないといった表情で、眉間に皺を寄せている。
「…昨日、久美と色々話せたみたいだね。良かったじゃん」
視線は合わせられず、引きつった顔で思ってもいない事を言う私は最低だ。
渡「その事なんだけど…」
ついに本人の口から聞かされるのが辛くて、私は分かりやすく手で耳を塞ぐ。
渡「…何だよそれ、笑」
そんな幼稚な私の抵抗を、渡辺くんは眉を下げて笑った。
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R(プロフ) - なおさん» 何度も読んで頂き嬉しいです🥺こちらこそありがとうございます！ (8月17日 22時) (
レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - 初めまして！このしょっぴーと主人公ちゃんが大好きですー💕実は何度も読み返していて😊今日もきゅんきゅんさせて頂きました♥️ありがとうございます！続きもまた読みます💙 (8月17日 16時) (レス) @page50 id: 61924ce533 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - みみみさん» 嬉しすぎます！ありがとうございます🥺✨ (2023年4月5日 20時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
みみみ - 素敵すぎです！あー、しょっぴーに惚れてしまった♡ (2023年4月5日 13時) (レス) @page50 id: 10d256d720 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - ピカンチ★さん» この作品を見つけて下さりありがとうございます🥺💙ハニレモ良いですね☺️🍋お時間がある際に良かったら番外編も覗いて下さると嬉しいです🥺💙 (2022年6月25日 19時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：R
| 作成日時：2022年5月22日 14時
