miracle Love story （青）2

＊ ページ44

翔「ん〜…どうしよっかな。明日ちょっと早いんだよね」





「そっか。…翔太くんの家からの方が明日の現場は近い？」





翔「あ〜…まぁ、そうね」





「じゃあ泊まりはまた今度にしよう？」





翔「え？」





「少し会えたし、もうそれだけで私嬉しかったもん」






そう言って笑顔を見せる。


確かにその気持ちに嘘はないから。






翔「…」





「忘れ物ない？」





翔「…うん」





「じゃあ、頑張ってね！」





笑顔はキープしたまま、玄関で翔太くんを見送る。





翔「…また連絡する」




「うん。でも無理しないでね？」




翔「ん、行ってきます」




「行ってらっしゃい」








静かに閉まる玄関の扉に寄りかかる。





ダメ。

泣くな。




会えたんだから、それで良いじゃん。







画面越しに翔太くんの笑顔を見ては寂しい、とか、


雑誌に映る彼の儚げな顔を見ては、こんな表情…他の人に見られたくないな、とか


歌や踊りで魅了する姿を見ては今すぐ会いたい、とか…






ここ最近、どんどん欲張りになって、独占欲や嫉妬が生まれている自分に嫌気が刺す。






彼女として純粋に翔太くんを応援し、支えられるような余裕を持ちたいのに。






溢れ落ちる涙を指で拭いながら、私はただ、次に彼に会える日を待ち望むしかない。






すると、背中越しに玄関扉にコンコンと振動が伝わる。






「え…っ？」






慌てて扉を開けたら、そこに翔太くんがいた。

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