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Shota side
それからAは言葉を選びながらゆっくりと丁寧に、自分の過去を話してくれた。
以前、岩本とのキスの原因を作ったという元カレとの出会いから別れまで、全て聞いた。
聞いてる途中で、何度も胸が苦しくなったし、もうこれ以上は聞けないかもって思うこともあった。
だけど、Aが途中で何度も言葉を詰まらせて謝る度に、抱きしめて「大丈夫だよ、ゆっくりで」と励ます自分がいた。
当たり前にそうしていた。
震える声や肩から、元カレに対する悲しみや忘れきれない思い、そして俺への申し訳ないという彼女の想いが全て伝わってきた。
好きだから逃げずに全て知っていたい。
Aが初めて全力で好きになったという相手を、認めなきゃいけない時が来たんだと、自分に言い聞かせた。
間違いなく、Aの心に今もこの先もその人は居続けるだろう。
だけど、無理もない。
ある日突然大好きな人が、連絡も途絶えて、自分の前から姿を消したら…誰だって引きずるに決まっている。
だから俺は、Aに「その人を忘れて欲しいとも思わないし、忘れる必要もない」と言った。
代わりに、「俺がその人との思い出を塗り替えるくらい幸せにしたい。だから側にいていい？」と聞いた。
その瞬間、Aは我慢していた感情を放出するように声を出して泣いた。
そして俺に抱きつきながら「お願い…側にいて。離れていかないで…」と呟いた。
弱々しく願う彼女を力一杯抱きしめて、言葉の代わりにその答えを示した。
翔「クリスマスケーキさ、これから毎年同じやつ買って良い？」
「え…？」
翔「悲しい記憶のままにしないで、今日から上書きしたい。せっかくAが気に入ったケーキなんだしさ、どうせなら思い出のケーキにしようよ」
そう提案すれば、再び泣き出すA。
そんな彼女の涙を指で拭い、カットされていない残りのホールケーキにスプーンを入れる。
翔「はい、あーん」
「え…」
翔「あーんは？」
「…あー……む。…美味しい…」
翔「んはは！笑 俺にもちょーだい」
「あーん…」
少し戸惑いながらAも同じように俺にケーキをすくって差し出す。
そのケーキをパクっと食べてからすぐに、キスをした。
翔「…甘」
「…翔太が、甘い…」
翔「毎年この流れ、決定ね」
そう言って笑えば、ようやくAもふにゃりと笑った。
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R(プロフ) - ninaさん コメントありがとうございます！こちらの作品のコメントは久しぶりだったので嬉しかったです🥺✨一気読みなんて嬉しい限りです…😭今連載中のお話もどうか楽しんで頂けますように…🥺 (2022年2月3日 21時) (
レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
nina(プロフ) - 最初から一気に読みました😭最高です！！🖤💛💙に愛される人生を歩みたいです（笑）次のお話も楽しく読ませていただきたいと思います！ありがとうございました✨✨✨ (2022年2月3日 15時) (レス) @page50 id: 3feab5f3eb (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - みかさん ありがとうございます😭✨今回も無事完走できました🥺💓 (2021年12月11日 12時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - みみみさん コメントありがとうございます😭✨わぁ〜嬉しいです😭💕また大大大好きと言ってもらえる作品を書けるように頑張ります☺️ (2021年12月11日 12時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - みさん コメントありがとうございます😭✨そんな事言って頂けて声を出して喜んでしまいました…😭続編構想中なので出来たらまた読みに来て下さると嬉しいです🥺💓 (2021年12月11日 12時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：R
| 作成日時：2021年11月21日 15時
