＊ ページ39
蓮「俺は…今働くことだけで正直いっぱいいっぱいかな」
「…」
蓮「…こっちに来てバイトして金貯めて。やっと食っていけるまでになったんだ。そしたら偶然スカウトされてモデルも始めて… 最近ようやく独り立ちして大人になれた気がしてるよ」
「そっか…」
蓮「さっきAが俺に、今幸せかって聞いたじゃん？」
「うん…」
蓮「俺、3月であのカフェは辞めて、本格的にモデルの仕事をする事に決めたんだ。…サッカーが出来なくなった後で、初めて自分を必要としてくれる場所を見つけて、存在意義みたいなのを見出すことができた」
蓮が再び歩みを止め、私の方に身体を向けてじっと見つめる。
蓮「だから、俺は今幸せだよ」
そう言って微笑んだ。
「…本当に？」
その問いかけに蓮の顔がかすかに引きつる。
だけど…
蓮「…本当。だからお互い4月からまた頑張らなきゃだね」
明るい声でそう言いながら笑い、また歩き出す。
…気のせいかな…？
その笑顔が寂しそうに見えたのは…
そうこうしているうちに駅が見えてくる。
「…」
蓮「…」
「送ってくれて、ありがとう」
蓮「うん…」
私たちが会うのは今日できっと最後。
「じゃあ…」
蓮「…うん…」
そう言ったものの、改札に向かう足がなかなか動かず蓮と向き合ったままの私。
そのまましばらく2人の間に沈黙が続く。
どうしたの…
早く帰らないと…
頭ではそう指示を下すのに、
これで最後だと思うと、何ものにも変え難い感情がぶわっと押し寄せて…
「ひっ…く、」
泣くつもりなんてないのに、涙が溢れ出して止まらない。
…どうして？
…なんで？
混乱する気持ちを落ち着かせようとした時、
蓮「…Aっ」
蓮に強く抱きしめられた。
「…っ！」
こんなのダメなのに、
私には翔太がいるのに、
人が行き交う駅で、こんなに堂々と抱き合う私たちを通過する人にジロジロと見られる。
普段はこんなの耐えきれないくらい恥ずかしいのに、
この時はそんなことも考えられないくらい感情が揺さぶられていて…
まるで私たちは磁石の用に引き寄せ合い、空白の4年間を埋めるようにきつく抱き合った。
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R(プロフ) - ninaさん コメントありがとうございます！こちらの作品のコメントは久しぶりだったので嬉しかったです🥺✨一気読みなんて嬉しい限りです…😭今連載中のお話もどうか楽しんで頂けますように…🥺 (2022年2月3日 21時) (
レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
nina(プロフ) - 最初から一気に読みました😭最高です！！🖤💛💙に愛される人生を歩みたいです（笑）次のお話も楽しく読ませていただきたいと思います！ありがとうございました✨✨✨ (2022年2月3日 15時) (レス) @page50 id: 3feab5f3eb (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - みかさん ありがとうございます😭✨今回も無事完走できました🥺💓 (2021年12月11日 12時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - みみみさん コメントありがとうございます😭✨わぁ〜嬉しいです😭💕また大大大好きと言ってもらえる作品を書けるように頑張ります☺️ (2021年12月11日 12時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - みさん コメントありがとうございます😭✨そんな事言って頂けて声を出して喜んでしまいました…😭続編構想中なので出来たらまた読みに来て下さると嬉しいです🥺💓 (2021年12月11日 12時) (レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：R
| 作成日時：2021年11月21日 15時
