私と照くんと、時々翔太くん ページ43
数分後
「すみませんお待たせしました」という声と共に私の横をすっと通り抜けて、私に背を向けながらフロントの前に立つ人が現れた。
あ、翔太くん！
…じゃない。
…誰ですか？
私は一瞬頭がパニックになる。
受付場所間違えてますよ、
と言いたいがそんな雰囲気でもない。
受付「では岩本様、ご一緒にお手続きの方よろしいでしょうか」
照「はい…」
彼は困惑と疑念の顔で振り返りながら私を見て、渋々返事している。
…そう。その人は翔太くんではなく、マスクをした岩本照くんだった。
照「…えーっと、とりあえずここに名前とか書いてもらっていいですか？」
「あ、はい」
そう言って急いで宿泊者名簿に名前や電話番号や住所を記入する。
受付「A様ですね。では改めて代理の方のご宿泊ということで承りまりました。こちらが鍵でございます。
前方エレベーターよりお上がり下さい」
そう言って鍵を渡され、丁寧に頭を下げられた。
受付の男性に挨拶をした照くんは、当たり前のように私のボストンバッグをひょいと持ち上げ、チラッと私を見てからエレベーターに向かって歩き出す。
色々説明したい私と、色々聞きたい照くんの思いがおそらく今の一瞬に詰まっていたと思う。
だがとりあえずフロント前では不審に思われてしまうので私も後ろから無言で着いていく。
エレベーターに向かうと思われた照くんが、突如方向転換して立ち止まり、改めて私の顔を見る。
照「えーっと…翔太の妹の…友達？」
「あ、違います」
照「じゃあ翔太の友達ですか？」
自分から彼女ですとも言えず、とりあえず「はい」と答える。
照「なら、良かったですけど…」
そうして困り果てたような顔をする照くん。
「あの、ご迷惑をおかけしてすみません。本当にありがとうございました」
深々と頭を下げてお礼を言う。チラリと見上げれば、今更だけどそこには本物の照くん。
なんというか…当然だけれどかっこいい。
照「詳しく事情分からないですけど、とりあえずここ来る前、翔太に俺の代わりに行ってもらおうと探しに行ったんです。でも、ちょうどいなくて」
「あの…でもどうして岩本さんが…？」
照「え？翔太から聞いてないですか？毎回翔太の家族の部屋の予約は俺が代わりにやってるんです」
…え？
いったいどういうこと？
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R(プロフ) - sakiさん コメントありがとうございます！初めてのコメント、とっても嬉しかったです！少しでもご期待に応えられるよう、楽しみながら緩やかに更新していきたいと思います！これからもどうぞよろしくお願いします！ (2021年8月1日 15時) (
レス) id: 7b806d3bae (このIDを非表示/違反報告)
saki(プロフ) - はじめまして！！翔太くんの話と気になり、一気読みしてしまいました！！翔太くんとヒロインちゃんの関係がとっても大好きで、文章もとっても読みやすいです！名古屋編のホテルでは2人のイチャイチャも見れるのかなと勝手に期待してます！更新頑張ってください！ (2021年7月31日 23時) (レス) id: f85547084c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：R
| 作成日時：2021年7月26日 11時
